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金の投資家は安値で購入

5月に金投資家インデックスは下げ、月間金購入総量の5分の1は、月末4日間の価格の下落時に行われました。

金の投資家の傾向が金融システム上のストレスや憂慮を反映しているのであれば、2011年半ばの価格のピーク時以来、明らかに下げています。ここで、ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュが、5月の数値について解説しています。

株式市場は史上最高値を更新しています。

その傍らで、個人投資家の金投資への傾向は、金投資家インデックスが示すように5月に更に下げることとなりました。米国のS&P500指数は1900を越え、1年前から23%上昇しています。そして、これは2009年5月時点の数値の倍以上となっています。

それに対し、金価格は、過去4ヶ月の最低の水準となっています。そして、5月の金投資家インデックスは、前月から下げたものの、投資傾向がポジティブであることを意味する50を越え、52.4となりました。

金投資家インデックスは、24時間休みなく世界有数の現物地金取引市場をオン・ラインで運営する、ブリオンボールトが保有するデータを元に算出されます。

現時点で5万2千人以上のユーザーがブリオンボールトのサービスを利用し、金・銀地金を購入、保管、取引しています。そのため、オン・ラインでは最大規模の貴金属投資家の需給状態を、ここで掴むことができます。ブリオンボールトのユーザーは、13億ドル(約1340億円)の金地金を保管しており、この量は多くの世界の中央銀行の金準備を上回っています。

そのため、ここで示される金投資傾向とは、実際にその月に行われた取引データを基に算出されており、アンケートのような、将来の投資計画を基に出された数値ではありません。このブリオンボールトの金投資家インデックスは、その月に保管量をを減らしたネットの売却者数と、保管量を増やしたネットの購入者数(新規顧客を含む)の差を、ユーザー全体数との割合で表したものです。そして、この数値が50である場合は、購入者数と売却者数が完璧に一致したことを意味します。

先のチャートが表すように、金投資家インデックスは、過去3年間に大きく変動しています。この数値は、2010年の2月に48.8と最低値を記録し、金価格が史上最高値に至った2011年9月に、最高水準へと上昇しました。そして、今年5月は、最終週まで金価格は狭いレンジで動いたことから、金投資家傾向は引き続きポジティブであったものの、低い水準となりました。

しかし、月末の3.9%の下げは、5月の月間金購入分の5分の1が最終の4日間で購入されるほど金投資家を動かし、数値を少なからず押し上げることになりました。ちなみに、この週に金価格が下げなければ、この数値は過去2年間で最低値となる気配を見せていました。

短期的な見通しは、下落時に購入する人々によって、明らかに金投資傾向はポジティブです。しかし、この動きは、長く続いた金価格の上昇傾向とは異なり、新たな上昇傾向を作り上げるものではありません。このような中、銀の投資家傾向は、金よりも更に顕著で、5月の価格下落時に銀が大量に購入され、この増量分は2012年12月以来の高水準となりました。銀購入の動きは、価格下落時に引き起こり、ブリオンボールトの顧客が保有する銀保有量を2.9%押し上げ、評価額で2億8200万ドル(約290億円相当)となりました。

長期的には、ドルコスト平均法で購入を続けることは賢明でしょう。個人投資家全体では、貯蓄の一環として、金融危機を教訓に、金融システムの保険として、価格に影響されること無く購入を続けています。そして、昨年春に価格が急落したことから、金の投資傾向は、大まかに見ると金価格同様に横ばい状態ですが、新たな投資家が市場に入ってくることでポジティブな状況が続いています。

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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