資産形成に近道はない
初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」で、先物取引の規制緩和の流れが昨今ある中、先物取引を含み資産形成を望む人々へ提言をしています。
古くからの読者はご存知かと思いますが、金読本では先物取引は勧めておりません。それどころから先物取引には手を出すな、といった発言を何度も繰り返しています。
その考え方に今でも変わりはありません。
しかし、誤解をしてほしくないのは、そうだからといって、先物取引を否定しているわけでは勿論ありません。先物市場には、将来の価格変動リスクをヘッジする重要な役割があるからです。
たとえば半年先、1年先の製品や材料の値下がり、あるいは値上がりリスクを、現在の段階で予め回避するための機能が、先物市場には備わっているのですね。
ですから保険としての先物取引は重要です。
金読本が手を出すなと言っているのは、儲けを企んだ先物投資です。元手の数倍もの取引を行なうことで利益を得ようという投機的な取引です。
いや、博打好きの人はやればよろしい。遊びとしてやるならご自由にどうぞ。それをいけないという積りはありません。ただ、世の中にはあくどい輩がいますし、顧客を獲物としか観ていない輩がいますから、振り回されないようにお気をつけ下さい。
それともうひとつ。
ハイリスク・ハイリターンの先物取引はある意味たしかに魅力かも知れません。けれど、投機としての先物取引は、いうまでもなく期間限定の取引ですから、本来、味方にすべき時間のチカラをみずから放棄しているようなものです。
先物取引に投ずる余裕があるのだったら、もっと感性を磨いたり、もっと学ぶために、自分自身に投資する方がよほどマシです。
最近、先物業界が取引の規制緩和を働きかけているようなので、あらためて注意喚起をしようと思いました。
個人の資産形成に近道はありません。うまい話にはトゲがあります。言い古されたことではありますが、しっかり肚に収めておいてください。
ゆっくり、じっくりまいりましょう。
本日はここまで。