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株式と金価格の比率を考察

ダウ・ジョーンズ・インデックスと金価格の比率を多くの人々は注目しています。世界大恐慌後80年を経て、当時の水準へ株価が下げる中、この比率を改めて見てみましょう。ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュは、その比率を過去にさかのぼり分析しています。

この比率についてグーグルで検索をしてみると、500万件の結果が表示され、そのうち650件が金とダウ・ジョーンズ・インデックスの比率についての異なる説となっています。この比率についての記事は、2008年暮れから2011年半ばに急増し、市場において世界に現存する金の2倍の評価価値を持つ、「米国債」の検索件数とほぼ同水準となっています。

それでは、なぜこのように人々の興味を引くのでしょうか。

ダウ・ジョーンズ・インデックスと金の比率は、時間の経過と共に、ダウ・ジョーンズ・インデックスに対する金のパフォーマンスを、ドルに対してのみではなく表すことを可能とします。ダウ工業株30種平均をドル建てトロイオンスあたり金価格で割ることでも、この比率を見ることができます。

この目的は、「世界で最も成功している経済」とハーバード大学のNiall Ferguson教授が考慮する米国の企業に投資することが、金利を生まず、投資以外の価値があまりなく、破壊することができない金の投資と比較してどのようなものなのかを分析するというものです。

 

先のチャートからも分かるように、米国企業への投資は、今から80年前には良い結果を生み出していませんでした。世界大恐慌の渦中の独立記念日においては、ダウと金の比率は、ダウ工業株30種平均が生まれた1900年以来最低水準を記録することになりました。

そして、1932年7月8日には、ダウは41ポイントで終え、金本位制下にあった金価格はトロイオンスあたり20.67ドルを保持していました。当時、いまだ貨幣として考えられていた金の価格は、ダウと金の比率が2以下に下げた際に、その時点から3年半前より90%価値を失い。20世紀においてもっとも低い水準となりました。

しかし米国株式は、1980年には金価格と比較して、さらに価値を下げることとなりました。ここでは、ダウと金の比率が1.0へと下げ、1966年正月の記録的高水準から96%以上下げることとなりました。

今日株式へ投資する人々は、過去10ヶ月の価格の上昇に希望を見出しているかもしれません。それは、ダウと金の比率は、インターネットバブル時の史上最高水準の40から下落し、2011年9月に過去20年間の最低値6.5まで下げた後上昇しつつあるためです。

確かにダウ・ジョーンズ・インデックスは、昨年夏よりの上昇率は、金価格を25%勝っています。しかし、この要因を考えてみてください。それは、ダウ工業株30種平均銘柄が見直された2009年に、Ciscoに代わり、アップルがこの中に含まれたことなどが要因であるかもしれないのです。

これが、ダウを比較の対象とする際の問題であるのです。もしくは、少なくともこのように考える人々も多くいる理由です。

金が不変であるのに対し、米国の代表的な銘柄を選出しその平均株価を表すダウ・ジョーンズ・インデックスは、米国の代表的な銘柄が変化しているにもかかわらず、あまり変化していません。また、この指標は、米国市場で取引されている数千の株式の中から30銘柄のみを選出しているものであり、この銘柄の選出は、設定された規則に沿って、委員会によって行われます。

また、この指標は、市場におけるそれぞれの銘柄の比重を考慮せず、これらの株式価格を合算し、銘柄数で割ったもの(しかし新株の発行などの理由により連続性が損なわれないように、除数は調整される。)です。つまりは、株価の高い株式が、より大規模な会社であるけれど、低い価格の株式よりも、影響力があるということになります。

そのため、米国企業の指標としては、ダウ平均株価は十分なものとはいえないのです。それでは、Market Capitarlization(株式の時価に発行済み株式総数を掛けることによって得られる企業の価値の評価)に基づき加重平均の方式を採用した指数において、金との比率を見てみることにしましょう。


ダウ平均株価やS&P500指標以外に利用できる指標は多くありません。株式投資と金投資を比較する目的に限った場合は。ダウ平均株価は、金に対して、その史上最高値以降、S&P500よりはパフォーマンスが良いようです。1オンスの金で、現在ダウ平均が2000年半ばに購入できた5.1倍を購入することができます。(ここにおいて、売買時の取引手数料などは考慮されていません。)それに対し、S&P500指標は6.4倍購入できます。

そのため、ダウ平均株価と金の比率は、広い意味で、株式投資が金投資と比較して劣っていたことを表しています。そして、株式投資の資産がリスクにさらされていることに対し、金が資産保全のために有効な手段であることを示しています。

「(金による株価を上回る)高いパフォーマンスは、今後数年続くことでしょう。」とアジアに拠点を持つスイスのウェルス・マネージャーのMarc Faber氏は、ダウ平均株価と金の比率が下落し始めた5年後の2005年にコメントしています。そして、「金保有者は、1オンスの金でダウ平均株価を得ることができるようになるだろう。」と予測しています。そして、2009年の初めには、Faber氏はこの予想を改め、「いずれ、金価格はダウ・ジョーンズよりも高くなるであろう。」とBarron's roundtableに述べています。

ダウ平均株価と金価格の比率は、株価の予想のためには、意味の無い物と思うかもしれません。特に、この比率が、1980年代の低水準に、株式の弱気市場が終了するまでに至るべきだという理論を持っている場合は。しかし、世界大恐慌の際にも、この水準には至らなかったのです。

さらに、 ミーン・リバージョン(平均回帰性)は、ダウ平均株価と金価格の比率とS&Pと金価格の比率の両者が、それぞれの半世紀の平均であることから、金価格が高すぎる、もしくは株価が低すぎることを示すものとなります。もしくは、他の分析においては、2009年2月のような究極のターニングポイントを探すかもしれません。また、投資家の中には、2000年以来6倍となった金価格を見て、最も低い水準の価格を取引機会として捕らえることに拘らないかもしれません。

しかし、このように6倍になることもあれば、ダウ平均株価と金価格の比率が1へと下げることもあるのです。例え、株式市場の大変動の前に金を購入したとしても、企業の破綻の波は見逃しているのです。ニューヨーク市場は、1929年から1933年に14に1の割合で規模を縮小し、1978年から1982年には28に1の割合で縮小しました。)そのため、このような株式市場の暴落には、株式投資に利用するどのような証券会社も、影響を受けざるを得ないことでしょう

それに対し、金を購入することは、他の企業の破綻によるリスクを除き、価格変動リスクのみを持つことを可能とし、全てを失うことを避けることができるのです。

それが、トロイオンスあたりの金価格が、1932年と1980年にダウ平均株価と等価となる要因だったのです。もし、世界の金融危機が再び悪化した場合、株式投資をし、その保有によるカウンターバーティーリスクを選択するのは勇気の要ることとなるでしょう。

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エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチダイレクターとして、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。



弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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