年末年始のゴールドマーケット
スタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏が、「池水雄一のゴールドディーリングのすべて2」で、年末年始の金の市場を解説しています。
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皆様、明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。おそらく今週が連載300回目のようです。よく続いたものだと思います。まあ でもそれを言うなら毎朝のBruce Reportは今の会社になってからは7年、その前の会社の時も考えるとおそらくは10年以上ほぼ毎日続けており、自分で言うのもなんですが、一度始める となんでも結構続けてしまう性分のようです。ランなんてそのいい例ですね。天賦の才があるわけでもない、どっちかというとまるで平凡な人間なんですが、 「続ける」ことだけはたいていの人より得意なようです。さて、ということで今年も何が起こるかわかりませんが、とりあえず、状況の許す限り書いていくつも りですので、よろしくお願いします。
今年はカレンダーに恵まれて、長い休みになった人が多かったのではないでしょうか。私も12月26日から休みに入り10連休でした。おそらくこれだけ長 い休みは社会人になって初めてです(ちょっと悲しい)。この年末年始の休みの間に貴金属マーケットは結構動きました。大方の弱気論調に対して、この年末年 始は相場は反発、逆にショート筋の買戻しが見られ、弱かった一年の最後を少し強く終わった印象です。年末年始の相場の背景をまとめてみました。
ゴールドは弱気論調が圧倒的だったのが、逆にマーケットを強くしたのかもしれません。一年の終わりの取引日、12月31日には、ちょうど日本で年が変わ るときに大きな波乱がありました。いまだにその原因はわかりませんが、1200ドルから1182ドルまで急落、その直後に1215ドルまで急騰するという 場面がありました(赤枠)。おそらくは年末のWindow Dressingのようなもので、相場を押し下げて終わりにしたかった向きがいたのでしょうか。しかしながら、昨年6月28日の1175ドルという 2010年来の安値を抜くことができず、逆にその失望感からショートカバーが入ったものと思われます。結局このあとゴールドは1200ドルを割ることな く、一年の終わりは1205ドルというレベルになりました。この大晦日の動きによって、年始がショートカバー中心の上への動きとなりました。
年初と年末の各数字を比較すると、上の表のようになります。これで見る限り、圧倒的になんと1000トン以上買いのほうが多いのです。それで470ドル も価格が下がるというのはありえるわけなく、何かがおかしいわけですね。疑ってかかるとすれば、中国の買いは本当の需要ではない(あまりに誇張されてい る?)、もしくはここには出てこない売り手(世界中の店頭での個人の現物売り?もしくはまだ補足されていないミステリアスセラー??)が存在しているのか もしれません。とにかくこの数字だけでは昨年の価格下落の説明はできませんね。このあたりもう少しいろいろ調べて考えてみたいテーマです。
以上