中央銀行が金購入を2012年以来の速いペースで進める
ポーランドがインドやエジプトと共に金を購入を進めていました。
今週発表された分析によると、世界の中央銀行が6年ぶりの速いペースで金準備を増加させていたことが明らかとなりました。
オーストラリアの主要金融機関であるマッコーリーグループは、1月から9月までの間に世界の公的機関が264トンの金を新たに購入していたとし、「過去6年間の中で、年間この時期まででは最も多い」とその分析で言及しています。
この中にはポーランドの9トンも含まれており、ユーロ圏の中の国としては、21世紀に初めて金準備を増加させています。
世界の中央銀行は、2018年からこれまでにその金準備の0.8%を増加させています。
金業界のマーケティング団体のワールドゴールドカウンシルがまとめた6月末までのデータによると、世界の中央銀行は2018年前半期に193トン増加させていました。これは、昨年の178トンから8%増の量となっていました。
この年初からの6ヶ月間に、ロシアとトルコとカザフスタンによる購入は、中央銀行全体の金購入の86%を占めていました。
エジプトもまた1976年以来初めて金を購入し、インドとインドネシアとタイとフィリピンもまた金購入を再開していました。
インド準備銀行は8トン金準備を増加させ、9年ぶりの金購入となっていました。その後、8月にも7トンの金を購入していたことが、ワールドゴールドカウンシルのデータでは明らかとなっています。
インド準備銀行が最後に金を買ったのは、2009年に国際通貨基金から200トンの金を購入し、世界11位の金準備の規模へとランクを上げた際でした。
「(このようなことからも)金は中央銀行にとって魅力のあるものであり、その量を増加させているのかもしれない。」とマッコーリーは述べています。
また、ワールドゴールドカウンシルの最新のレポートでは「将来的には、中央銀行からの需要は底強いものであると予想する。」とし、「(保有資産の)多様化は需要を動かす重要な要因であることは継続すると予想している。」と続けています。
最も金を購入していた中央銀行はロシア連邦中央銀行であり、ロシアは今年に入り米国債の保有量を5分の4減少させています。そのために、ロシア政府がロシアへの米国からの影響力を減らす事を目的としているのであろうと推測されています。
「(金は)法的及び政治的リスクから(守ることを)100%保証する。」とロシア中央銀行の副総裁のドミトリー・トゥリン(Dmitry Tulin)氏が今年初頭に述べています。
ブリオンボールトの分析では、ロシアによるウクライナ侵攻に対する経済制裁が開始された2013年以来、ロシアにおける金産出量の70%をロシア中央銀行が購入していることが明らかとなっています。
そして、今年4月には、2016年の米大統領選にサイバー攻撃等で介入したとして更なる経済制裁が加えられています。そして、今年3月に英南部でロシアの元スパイとその娘が神経剤で襲われた殺人未遂事件を受けて8月にはロシアに対して追加制裁が発動されています。
「金市場は十分な需要がなく供給過多となっている。」とマッコーリーは述べた上で、「(中央銀行の金購入は)命綱で、(公的部門は)現在ただ一つ明確に金に対してポジティブな部門だ。」とレポートしています。