中央銀行が築いた「どこにも通じない橋」とは
ゼロ金利政策と、5兆ドルにおよぶ量的緩和は、金融危機から5年が経過した現在、どのような効果を先進国にもたらしたのでしょうか。ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュはここで問いかけ、解説しています。

「他の政策立案者と、民間部門が健全なバランスシートを持つための金融政策を実施後、主要中央銀行は、さらにタイムリーで、包括的な、効果的な方法が現れ、適時に実現できることを希望していることでしょう。」とPimcoの最高経営責任者のMohamed El-Erian氏は、今月行ったセントルイス連銀における講演で今月述べています。
昨今、先進国の中央銀行の4人の総裁(*1)は、それぞれ、更なる追加緩和、低金利政策で、すべての問題を直ちに解決することはできないと語っています。そのため、今週欧州中央銀行のドラギ総裁が、ユーロ圏の政府へ「安定成長協定」を呼びかけました。バーナンキFRB議長もまた同意し、今まで同様に十分にその用意があり、確かでない経済効果のために、制限なく紙幣の増刷することは避けたいとしています。
その場合、FRB総裁へはこれまでの政策に対して質問をしたいものです。しかし、ノーベル賞を受賞した経済学者Paul Krugman氏が、バーナンキ議長を批判する(*2)のは、必ずしも間違っていないはずです。中央銀行総裁は、金融政策を実施した後に、この政策が希望通りに効果を見せることを祈っているように見受けられます。
もし、政府が行った「問題解決策が効果を見せなかった場合」、El Erian氏は、1月に既に述べていますが、「中央銀行は、どこにも通じない橋を作ったという認識せざるをえない可能性があります。」
「どこにも通じない橋」という表現は奇妙なものです。これは、1990年代にバブルが弾けた後にデフレから脱却するために、日本でしばしば見られたように、大きな政府(日本型社会主義)が過大な財政支出を行うことを表現します。この頃には、建設業界に関わる人々が失業することがないように、必要のない、どこにも通じない多くの道路と橋が築かれました、
そのため、このEl-Erian氏や多くの中央銀行が効果があると願っている金融政策は、実際には効果がないかもしれません。この政策が、20年前に日本の景気の停滞を正すには効果がなかっとことは確かです。また、反緊縮財政感情が強まりつつある欧米においても、その効果が現れていないことも確かです。
この金融政策、また民間部門投資を活性化するために更なる公的債務を重ねて行われる追加の金融政策は、El Erian氏が今年はじめに警告したように、中央銀行の将来はもとより、その国、地域、世界経済の健全性に、今後大きな(悪)影響を与えることとなるでしょう。
筆者も全く同意見です。この影響を見るために、ダウジョーンズ、国債利回り、金価格のヒストリカルチャートを見ることを勧めます。ここからは、株価の低迷、国債利回りの低下、金の長期に渡る強気市場が見受けられることでしょう。これらは、これまでの金融政策が健全な経済をもたらしていれば起こりえないはずなのです。
*1 日本銀行銀行総裁白川方明氏のLSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)の講演では、「、中央銀行はすべての問題を解決できる組織ではない。」と述べています。また、イングランド銀行のキング総裁は、「金融政策に達成を期待できることには限界がある(There’s a limit to what monetary policy can hope to achieve.)」と述べています。
*2 ノーベル賞を受賞した経済学者Paul Krugman氏は、連銀が2%のインフレターゲットを雇用拡大のために上げることを勧め、この方策をバーナンキ議長が過去に日銀へ推奨したことをニューヨークタイムズで言及しました。それに対し、バーナンキ議長が先週強く反論したことに関してここで述べられています。
**************
中央銀行の金融政策による通貨価値低下から資産を保護するために金の購入をお考えですか。ワールドゴールドカウンシルが、一般投資家への金地金提供企業として推薦している、オンラインで世界有数のブリオンボールトでは、日本のお客様にも、低費用でスイスでの金地金現物保管サービスを提供しています。




