中国の金消費量が今年9月までに7・83%増
中国の今年9月までの金消費量が、7.83%増の814トンとなったことを、昨日中国黄金協会が発表したことを、中国日報が伝えている。
これは、金価格の暴落のために、金消費量が急増した一昨年から24.7%消費量が減少した昨年から、消費が回復しつつあることを示している。
ここでは、他のコモディティよりも価格が安定していたために金地金の消費が18.6%増で142トンとなり、宝飾品は1.65%増で591トンと需要が増加していると共に、金生産量も357トンと1.48%増となったことを伝えている。
また、中国人民銀行の金準備は今年6月から2009年以来6年ぶりに発表され、発表時点で604.3トン増、その後も7月に19トン、8月に16.2トン、9月に14.9トン増加し、2009年の1054.1トンから1708.5トンへと急増している。
これにより、今年2月に発表のワールド・ゴールド・カウンシル発表の世界の金準備のランキングで6位のロシアを越えたことになる。
ちなみに、ロシアも今年金準備を143.4トン積み増し、既に1351.6トンとなっている。
なお、金現物市場の上海黄金交易所(SGE)からは、今年7月から10月中旬までに900トン(約4兆円)が引き出され、年初からは2000トンを超える金が引き出されているなど、中国の現物需要が増加していることは日経新聞が先月末に伝えている。
これは、今年6月中旬に上海で株が急落して以降、投資家に売る金を用意するために、保管庫から金塊を店頭に回す動きが進んでいるため。同様の動きは、8月中旬に人民元の切り下げが発表された翌週等に70トンの金塊が引き出されたように、継続的に起きているとのこと。
そのため、上海黄金交易所(SGE)の在庫減少を補うために金の輸入は増えており、香港から中国本土への金の輸出は97トンと、10ヶ月ぶりの高水準へ増加し、スイスからも金現物が22トン空輸されたとのこと。
年間の世界の金需要が昨年は3924トンであったことからも、中国国内の金現物の流れは、突出した量であることが明らかである。
中国黄金協会は、今年通年の消費量は中国が世界一になるであろうと予想している。