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ユーロ圏での危機感が薄れる中、米国の金投資センチメントが上昇

米国金投資家の需要が過去17ヶ月で最も高い水準へと上昇しました。

金投資需要は、3月に米国で上昇し、ユーロ圏では減少しています。ここで、ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュが解説しています。

ブリオンボールトにおける顧客が保有する金の量は、過去最高となりました。そして、欧米個人投資家の金投資家傾向を示す金投資家インデックスを支えることとなりました。

世界最大のオンライン貴金属現物市場を提供しているブリオンボールトの顧客の売買データで算出される金投資家インデックスは、その月に金保有量を増加させた顧客数と、減少させた顧客数のバランスを表します。そのため、顧客保有金地金重量の増減ではありません

そして、この数値は50であると、その月の金購入者数と売却者数が完璧に一致したことを意味し、最高値は71.7を2011年9月に記録し、今年1月には過去5年間で最も低い50.5となっていました。

3月の数値は53.1と、過去22ヶ月で最高となった2月の54.5からは多少下げています。しかし、過去12ヶ月の平均値を再び超える数値となりました。ちなみに、このように過去12ヶ月の平均値を超えたのは、2013年1月からは4度のみとなっています。

為替市場のボラティリティの高さが、個人投資家の金投資へのセンチメント引き上げた要因であるとも考えられます。しかし、欧米の金投資家のセンチメントと銀投資家センチメントの違いは、米国投資家の中に顕著に見られた、債券と株式市場への懸念を浮き彫りにしました。

銀投資家インデックスは、金とは異なり、2月の54.8から3月に50.3まで大きく下げています。これは、2012年3月からの過去3年間でも4番目に大きな下げ幅となっています。

そのため、これは、投資家が金融システムに対する保険の役割に注目していることを示していると言えるでしょう。

ブリオンボールトの顧客が保有する銀地金の総量は、史上最高値を記録した先月から全く変化していません。そして、顧客が保有する金の総量は、継続して増加中で、3月には史上最高の33.2トンとなりました。

しかし、危機感が薄れ、株高となっているユーロ圏の顧客の需要は減少しています。それに対し、米国での需要は増加し、国債や株価(FTSE)やポンドのボラティリティが高まっている英国においては、需要は堅固なものとなっています。

ボンド建て金・銀価格(LBMA金・銀価格)の平均は、3月に下げたものの、銀においては、3月に2月の4.5%の下げを取り戻しています。そして、金は約2%上げ、トロイオンスあたり800ポンドを超える水準まで戻しています。

ドル建て金価格においては、LBMA金価格の月間平均においては、過去4年間で最低となった11月の水準に、トロイオンスあたり2ドル至らなかったものの、3月は下げることとなりました。米国投資家は、このドル高による下げを買い時と見て、購入者数は売却者数の3倍となりました。

それに対しユーロ建て金価格は、月間平均は4ヶ月続けて上昇し、過去2年間で最も高い水準に近い、トロイオンスあたり1089ユーロとなりました。欧州中央銀行による量的緩和による、ユーロ安からの金価格上昇とユーロ圏の株高は、ユーロ圏の個人投資家の売却を進め、購入者数と売却者数がほぼ同数となったのでした。

ブリオンボールトにおける米国からの新たな顧客数は、3月に前月比52%増と、2013年10月以来の高水準となりました。それに対し、ユーロ圏からの新たな顧客数は、前月比30%減で、過去21ヶ月で最高となった1月からは55%下げています。

しかし、2015年の第1四半期全体においては、世界の金価格が25%下げたことからも高い需要を呼び起こし、ユーロ圏からの新たな投資家数は、2013年第2四半期以来の高水準となりました。

これをまとめると、それぞれの地域の事情によって金の需要は異なりますが、個人投資家にとっての金投資の魅力は引き続き存在していると言うことなのでしょう。

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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