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プラチナの工業用需要が戻ることが予想される中で、アナリストの需給バランスの予想は異なるものに

ロンドンのプラチナウィークである今週、3つの異なる2021年の需給バランス予想が発表されました。
 
プラチナ市場のアナリストは、この貴金属の需要と供給のバランスについて意見が分かれており、3つの新しいレポートが3つの異なる見解を示しています。
 
3つのレポートのうち2つは、2021年の需要に対して供給がわずかに過剰になると予測していますが、2020年の需給バランスについては意見が分かれています。
 
Metals Focusのプラチナ・グループ・メタル(PGM)担当ディレクターであるWilma Swarts氏は、同社の最新「Platinum and Palladium Focus 2021」を発表し、「私達の現在の予測では、プラチナは今年も余剰となるでしょう」と述べています。
 
一方で、精製・技術の専門家であるジョンソン・マッセイ社(JM)は、新しい PGMマーケット・レポートの中で、2020年は需要が前年の約2倍のレベルで供給を上回っていたと述べています。
 
しかし、鉱山業界が支援するワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)は2021年のプラチナ需要は5%増加すると予想し、需給のバランスは3年連続で供給不足になると 異なる分析を行っています。
 
過去20年間のプラチナ価格の推移 出典元 ブリオンボールト
 
WPICのCEOであるPaul Wilson氏は、「ワクチン接種率が上昇し、かつて無い景気刺激策が実施された後、プラチナ需要の勢いが増しています...プラチナの需要と供給は、この急速な回復と支援の恩恵を受ける準備ができています」と述べています。
 
特に、「気候変動対策は現在、多くの政府の課題として大きく取り上げられています......(そのため)プラチナと水素経済との関連性から、多くの投資家がプラチナを検討しています。」
 
ジョンソン・マッセイ社は、「投資需要が過去2年間の赤字の主な要因となっている」とした上で、「過去10年間の数年間の黒字を受けて、理論的には十分な供給量を維持しているが...2020年にはプラチナの伝統的な欧州取引拠点でインゴットが不足するなど、例外的な需給逼迫の時期を記録した」と述べていました。当然、昨年春には新型コロナウィルス感染拡大による第一次閉鎖が行われていました。
 
もちろん、多くの大規模な自動車工場も閉鎖され、新車やトラックの需要が激減したことで、自動車部門のPGM総使用量は昨年、JMのデータでは13%減少していました。
 
今年は、自動車触媒用のプラチナ需要が重量と世界全体の排ガス触媒としての割合で増加すると予想されています。プラチナは、ディーゼルエンジンからの有害な排出ガスを削減するために使用され、その量が需要の最も高い割合を占めていましたが、2020年にはプラチナの投資需要が、この(リサイクル供給分を除いた)触媒需要を上回っています。
 
「自動車触媒の需要は、半導体の不足(現在、世界中で自動車の製造と販売に支障をきたしている)にもかかわらず、自動車の台数が2020年の水準を大幅に上回ることで、顕著に回復するだろう」とMetals Focusは述べています。
 
「特に大型車部門における排ガス規制の強化は、プラチナ需要の回復をさらに後押しするでしょう」と専門コンサルタント会社は付け加え、他のほとんどの主要なプラチナ需要においても「健全な増加」を予測しています。
 
2021年には、化学分野の触媒や、ハードディスク・データストレージに代表される電子機器の部品としてのプラチナ需要が「引き続き堅調に推移する」とし、ガラス産業の需要は、プラチナの高融点を活かして溶融物を扱う装置に使用され、「過去最高を記録する可能性がある」と述べています。
 
一方、水素燃料電池の需要は2021年に最も急成長すると予想されており、JMの予測では40%、WPICの予測では17%(より広い範囲の「その他の産業」カテゴリーの一部として)の増加が見込まれていますが、いずれも現在の低い水準からの成長ではあります。
 
ジョンソン・マッセイ社の主席アナリストであるMargery Ryan氏は、ロンドン・プラチナ&パラジウム・マーケットのメンバーを対象とした火曜日のウェビナーで、水素燃料電池エンジンにおけるプラチナの使用量を「比較的保守的に」予測した場合、今後30年間で600万オンスから700万オンスに達する可能性があると述べていました。これは、現在の産出量に等しいものです。
 
Metals FocusのSwarts氏は、2021年の年間平均価格をトロイオンスあたり1200ドルと予測し、昨年の平均価格から3分の1以上上昇して2014年以来の高値になると述べています。
 
そして、「Metal Focusは、プラチナ価格は、金のさらなる上昇と、より幅広いコモディティ・スーパーサイクルへの期待からも恩恵を受けると見ています。」と締めくくっています。
 
 

ブリオンボールト社のリサーチ部門は、オンライン金取引所有サービスを提供する世界有数の英国企業ブリオンボールトの、リサーチ・ダイレクターのエィドリアン・アッシュ、日本市場担当ホワイトハウス佐藤敦子を含む国際市場担当者によって構成されています。

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