プラチナとパラジウムの2021年需給レポートのまとめと2021年の見通し
- 2021年の供給余剰量は、南アフリカの供給が好調で需要が減少したため、844キロオンス(26.2トン)となり、(2010年以降)3番目に多い供給余剰量を記録した。 6年連続の黒字となった。
- 供給量は前年比19%増、需要は9%増。
- 鉱山供給は前年比24%増の630万オンスと2011年以来の高水準、リサイクルは1%増の195万オンス(60.7トン)。
- 需要の詳細
- 自動車は10%増の264万オンス(82.2トン)、ただし2019年のパンデミック前の水準からは8%減。
- 宝飾需要は7年連続減少-中国や日本の需要減で前年比6%減の192万オンス(59.8トン)。
- 工業用需要は、2020年から遅れた生産拡張が行われ、ガラス関連需要が75%増となったため、27%増の251万オンス(78トン)となった。
- 現物投資は、日本がネットで売りに転じて前年比43%減の332,000オンス(10.3トン)、北米の需要は9%増で最高となった。

- 自動車用半導体供給不足による自動車需要減少の影響を受けて、10年ぶりに119,000オンス(3.7トン)の供給超過となった。
- 供給量は前年同期比6%増となったが、需要は2%増にとどまった。
- 鉱山からの供給は7%増の688万オンス(214トン)、リサイクルはコロナ規制の緩和と過去最高の価格を受けて3%増の320万オンス(99.4ト ン)であった。
- 需要の詳細
- 自動車触媒の需要は、自動車販売台数の伸びが緩やかだったため、1%増の 814 万オンス (253 トン)。
- 工業用需要は4%増の158万オンス(49.2トン)。
- 宝飾品加工は2019年比23%減となったが、20%増の212,000オンス(6.6トン)に反発。
- 現物投資も90%増の23,000オンス(0.7トン)。

- 供給量の減少が需要の減少を上回っ ているため、2021年比40%減の477,000オンス(14.8トン)の余剰 量になると予想。
- 年間平均価格は990ドルと予想されるが、これは中国の需要が旺盛であるものの、在庫余剰などからも、前年比9%減。
パラジウム
- パラジウムの供給は抑制され、自動車触媒の需要がやや強まっ ていることから、521,000オンス(16.2トン)の供給不足になると予想。
- 年間平均価格は2290ドルとなり、異例の高値となった昨年から4%下落すると予想。
下記にMetals Focusとジョンソン。マッセイ社(JM)の2022年の需給予想の比較表を示します。
プラチナ


- 単位は千オンス。
- ジョンソン・マッセイの供給量は、Metals Focusが供給量に含めているため、同社のリサイクル量を加算して算出。
- ジョンソン・マッセイは2022年のロシアの供給量をプラチナ、パラジウムとも予測していないが、Metals Focusは両金属とも予測しているが7%減。