パラジウムが上がる理由
スタンダードバンク東京支店長の池水雄一氏が、「池水雄一のゴールドディーリングのすべて2」で、パラジウム市場の背景と価格上昇の理由を解説しています。
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10月18日、GFMSのPaul Walker、豊島さん、亀井さんと私とでチャリティセミナーを行いました。150人近くもの人が集まり、チャリティも40万円以上集まりました。賛同し て来てくださった方々、ありがとうございました。今週はPaulが言っていた「パラジウムとプラチナは将来的に同じ価格になる」という見通しについて書いてみたいと思います。セミナーの時はほぼ彼の専属通訳になってましたが、それだけに彼の意見がまるで自分の意見のように感じてしまいました(笑)。言葉って恐ろしい。
さてパラジウム。GFMSの見方と最近のロシアのパラジウム生産を巡る報道から状況を考えて見ましょう。
(GFMS 2011PT&PD Survey)
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・プラチナでは南アが世界鉱山生産の約8割を占めるが、パラジウムではロシアと南アがともに80トン強とほぼ40%ずつを生産している。
・世界一の生産会社はロシアのノリリスクニッケル。ロシアの生産のほぼすべてをこの一社で生産している。2011年1-9月の発表が先日あり、ニッケルは先年同期比2.2%ダウン、パラジウムは5.1%減少の65トンになった。
・そして先週、ロシアのパラジウム国家在庫をつかさどるゴクランの発表によると現在ロシアの国家備蓄の残りはあと9トン。2012年、2013年に半分づつ売却してその後は国家備蓄はゼロになるということ。
・ロシアから輸出されたパラジウムの約10トンがETFによって在庫されている(チューリッヒに4.1トン、ロンドンに6.9トン)。これはETFの在庫の約21%に当たる。
・しかしロシアは2005年から2010年にいたる5年間で約205トン売却しており、そのうちのたった5%が投資家(ETF)の手にあるわけである。
・GFMSではパラジウムは大幅な供給不足を予想。一方、プラチナは供給過多の見通し。
・PGMにとってもっとも重要な需要分野であるのは自動車触媒。現在自動車がもっとも売れているのは中国、インド、ブラジルなどの新興国。そしてこれらの 国々では圧倒的にガソリン車がメインである。ガソリン車の触媒は主にパラジウムが使われており、プラチナはディーゼル車がメイン。この分野の需要はパラジウムが大きく伸び、プラチナは伸び悩みが予想される。
・そもそもプラチナとパラジウムは互換性が強く、ある程度までは代替が利くもの。現在プラチナが1600ドル、パラジウムは650ドル。この価格差を考えるとパラジウムがプラチナの代替として積極的に活用されるのは当然の流れである。
以上の状況から考えてプラチナとパラジウムは将来的に同じ価格になるかもしれない。これはプラチナがパラジウムのレベルまで下げるという意味ではなく、パラジウムがプラチナの価格まで上がるということである。プラチナの生産コストは1400ドル台半ばと計算され(GFMS調べ)、このレベルからの大きな下げは期待できない。とするとパラジウムがプラチナの価格に寄せるほうが現実的であろう。
以上
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