金市場ニュース

ニュースレター(8月19日)1346.40ドル FOMC議事録で利上げ観測が後退したものの、BREXIT懸念浮上で神経質な動き

週間市場ウォッチ

今週金曜日のLBMA金価格のPM価格は1346.40ドルと前週同価格から0.4%下げています。

週明け月曜日金相場は、多くのヨーロッパの国々は聖母マリア被昇天日の祝日でもあり、夏休みを取っている市場関係者も多く、狭いレンジでの取引となりました。また、 今週は火曜日の米国の消費者物価指数、住宅着工件数、鉱工業生産や水曜日にFOMCの議事録等の重要指標を待っている中、模様眺めの相場でもありました。

火曜日金相場は、アジア時間に買いが先行して上昇していたものの、ロンドン時間昼過ぎに発表された米主要経済指標が良好であったことと、ダドリー・NY連銀総裁の「9月利上げはあり得る」というコメントも伝えられ、12月までの金利引き上げの可能性がFedWatchで50%へと前日の42%から上昇するなど、金利引き上げ観測が広がる中、下落することとなりました。

しかし、売りが一巡すると買い戻しの動きが見られて値を戻すこととなりました。

この主要経済指標とは、住宅着工件数、鉱工業生産等で、住宅着工件数は2ヵ月連続のプラスで、9ヵ月連続で110万件の大台を上回り、住宅市場の堅調さを示すものとなったことからでした。また、鉱工業生産も予想の0.3%を上回る0.7%となっています。しかし、FRBが注目している消費者物価指数は、前年比0.8%と予想の0.9%を下回ることとなりました。

水曜日の金相場は、ロンドン時間夕方発表のFOMC議事録の発表待ちで金相場は狭いレンジでの取引となっていましたが、FOMC議事録後に急伸することとなりました。これは、FOMC議事録では、「早期の利上げに関して見解が分かれた」とあるなど、市場の解釈はハト派的となる中、利上げ観測が再び後退し、ドルインデックスが下げ金への買いが入ってきたことからです。

木曜日は、前日のFOMC議事録後同様にドルが売られ、ドルインデックスは7月の高水準から大きく下げていましたが、金相場はFOMC議事録発表後の上昇分を調整もあり緩やかに失った後に、ロンドン時間に上昇することとなりました。

なお、同日発表の米新規失業保険申請件数はほぼ予想(26.5万件)通りの26.2万件で、フィラデルフィア連銀製造業指数も予想通りの2と前回-2.9から上昇しましたが、相場への影響は最小減となりました。

しかし、同日行われたダドリーNY連銀総裁の会見は、「強い雇用指標は景気減速懸念を緩和」や「下期と第3四半期GDPは、上期より格段に強い伸びに」 などと米国経済への自信を見せる発言が伝えられ、ドルが強含む中、ロンドン時間終了後に金相場を押し下げる要因となった模様です。

本日金曜日は、特に注目すべき経済指標が無い中、ドルインデックスが強含む中、ロンドン時間昼過ぎにトロイオンスあたり10ドルほど急激に下げて戻すといった神経質な動きをしています。

この急激な動きは、英国がEU離脱の通告を来年4月までに行うという噂が広がったことからの模様です。しかし、これは首相スポークスマンが2時間ほど前に否定しています。

その他の市場のニュース

  • 今週明らかとなった米証券取引委員会への報告によると、ジュージ・ソロス等の著名ヘッ ジファンドが金のエクスポージャーを前四半期に減少させたものの、ポールソンはポジションを保持したことが明らかとなったこと。
  • 火曜日発表の英国有数の資産家ロスチャイルドファンドの決算書によると、今年初旬から株から金へとポジションの調整を行なっていたことも明らかとなったこと。

ブリオンボールトニュース

今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。

ロンドン便り

今週も英国ではリオ・オリンピックの話題がトップニュースとして日々伝えられています。

ご存知のように、英国は国別メダル獲得数では現時点(8月18日)で56個と、米国の100個に次いで2位となっています。前回のロンドンオリンピックでは65個のメダルを獲得し、米国と中国に次いで3位となっていました。

このメダル獲得数は、当初の目標の48個を既に越しており、英国チームの予想を上回る健闘に国内の盛り上がりは想像いただけることでしょう。

そこで、今週はこのリオ・オリンピックの自転車競技で金メダルを計5個獲得した英国カップルについて、メディアが大きく取り上げていましたのでご紹介しましょう。

このカップルとは、ローラ・トロット選手とジェイソン・ケニー選手です。トロット選手は、ロンドンオリンピックでも、今回同様にチームパシュートとオムニアムの2種目で、ケニー選手もチームスプリント、ケイリン、スプリントの3種目で金メダルを獲得しています。そのため、二人の金メダルの数は2回のオリンピックで10個と、最も多い金メダルを獲得したカップルとなるようです。

ちなみに、この二人が一つの独立した国であった場合は、ジャマイカとケニアとブラジルを上回る13位になるとのこと。

ケニー選手は、今回を含めて金メダル6個と銀メダル1個の計7個を獲得していることから、英国選手で最もオリンピックメダルを獲得した男性選手のトップに、やはり自転車競技選手であったクリス・ホイ選手と共に並びました。また、トロット選手は、前回と今回の2回のオリンピックで金メダル4個と女性選手のトップに立ったとのことです。

ちなみに、世界全体においては、今回のオリンピックで引退を発表した米国のマイケル・フェルプス選手が28個とメダル獲得数史上第1位となっています。また、日本人では、体操の加藤沢男選手の12個の9位が最高となっています。

英国のこの金メダルカップルは、今年9月に結婚が予定されているとのこと。このようなオリンピックが生むヒューマンドラマもまた、人々を魅了して止まないようです。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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