ニュースレター(7月31日)1098.40ドル FOMC後に利上げ観測が広がり下落後、米経済指標悪化で上昇
週間市場ウォッチ
先週金曜日のLBMA金価格のPM価格は、トロイオンスあたり1098.40ドルと、前週同価格から1.6%下げています。これは、月間の下げとしては6.2%で、2013年春以来のひと月の下げ幅となりました。
週明け月曜日、金相場は、先週金曜日のショートカバーの上昇の流れを受け、上昇して始まり、一旦戻したものの、上海株の急落そして欧米の株式が下げる中、再び上昇することとなりました。
なお、同日発表の米耐久財受注は3.4%と、3ヶ月ぶりに増加となり、予想3.2%と前回-1.8%(修正値-2.1%)を上回りましたが、金相場への影響は限られていたようです。
翌火曜日は、FOMCの結果を待つ中、狭いレンジでの取引となりました。
水曜日の金相場はFOMC政策金利発表を前に狭いレンジで推移していましたが、発表前に、9月の利上げの観測も広がり、緩やかに下落することとなりました。しかし、同日発表のFOMC政策金利発表では、目新しい内容はなく、米利上げ時期を巡る評価が分かれたことから、発表直後は金相場に与える影響は限られたものとなりました。
木曜日の金相場は、ロンドン午前中に前日のFOMC声明を消化する中、利上げ観測が広がりドル高などから下げていましたが、米第2四半期GDPが2.3%と、予想の2.5%を下回ったことや、新規失業保険申請件数が26.7,万件と、予想の27万件を下回ったものの、前回25,5万件を上回ったことなどから、上昇することとなりました。
金曜日は、ロンドン時間午前中に底値を試す下げにみまわれましたが、ロンドン昼過ぎに発表された米国の第2四半期雇用コストは、1982年第2四半期に統計が始まって以来の33年ぶりの小さな伸びとなったこと、そしてロイターミシガン大学消費者信頼感指数が予想をしたまわったことからも、ドルが売られ、金が上昇することとなりました。
その他の市場のニュース
-
先週末発表のコメックス金先物・オプションのポジションが、記録が残る2006年以来初のネットショートとなったこと。 -
ロンドン金属取引所(LME)が、LMEで取引を行う時の担保として人民元を差し入れることを認める見通しと、ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えたこと。 -
英国貴金属調査会社のGFMSの最新レポートによると、第2四半期の金需要が過去6年間で最も低くなったことが今週火曜日明らかになったこと。 -
6月の中国への香港からの金の輸入が、今年最低の22.1トンとなり、この中国への輸入総量は、2011年6月以来の低水準でもあると伝えられたこと。 -
金のETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェアの残高が680トンと過去7年で最も低い水準へと下げたこと。 -
ロンドンの專門市場のドル建てベースの取引量が、2010年4月以来の低いものとなったこと。
ブリオンボールトニュース
弊社日本媒介代理店であるブリオンジャパンが、今週30日に弊社サービス開始記念PRイベントを都内で行いました。このイベントには、タレントの優木まおみさ ん、お笑いコンビ・オリエンタルラジオの藤森慎吾さん、グラビアアイドルの杉原杏璃さんが登場し、クイズ形式で同サービスを紹介いただきました。
この詳細と写真は日本語で金関連情報を発信するゴールドニュースサイトで、ご覧いただけます。
また、英国主要日刊紙の日曜版「Sunday Express」で、今月急落した金相場を解説する記事の「輝きのない金は安全資産として位置づけが失われつつあるのか」という記事で、ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュのコメントが取り上げられています。
ここで、ギリシャ危機と中国株価暴落の沈静化、イランの核開発問題に関する合意を経て、金の安全資産としての必要性は薄れ、中国中銀の金準備が予想の半分 であったことやFRBの年内金利引き上げ観測の広がりが金相場を抑えているとし、主要アナリストのコメントが紹介され、ポートフォーリオの一部を金に振り 分ける金の金融システムの保険としての位置づけはあるとし、市場が動かない夏以降のインドの結婚シーズンには通常価格は上昇するというエィドリアンのコメントが紹介され ています。
ロンドン便り
今週も日本に滞在しているために、ロンドン便りはお休みさせていただきます。