金市場ニュース

ニュースレター(5月29日)1191.40ドル ドル高基調に金は押し下げられる

私は、先週から日本へ出張できているために、先週のニュースレターの掲載が本日となりました。

週間市場ウォッチ

先週週金曜日のLBMA金価格のPM価格は、トロイオンスあたり1191.40ドルと前週同価格から1%下げています。

週明け月曜日は、欧米が祝日の中、主要経済指標もなく、狭いレンジでの取引となりました。

翌火曜日は、大きく金相場は下げることとなりました。その要因はいくつか挙げられますが、下記のようになります。


  • 前週金曜日の4月の米消費者物価指数(CPI)が好調 - 食品とエネルギー価格を除いたコア指数が前月比でプラス0.3%と、2013年1月以来の上昇。

  • 同日行われたイエレンFRB議長が講演で経済環境が順調に改善していけば「今年のいずれかの時期に利上げを始めるのが適切だろう」との見方を示したこと。

  • ギリシャの財務大臣が債務支払への懸念を示したことが伝えられたこと。

  • 火曜日発表された耐久財受注は、輸送用機器を除く数値で予想を上回り、また、ケース・シラー住宅価格数値や新築住宅販売件数などの住宅関連データが好調となったこと。

水曜日は、前日の流れを受けて、ドル建て金価格は緩やかに下げることとなりました。しかし、円安が進む中、円建て金価格は、ドル建て金価格とは対照的に上昇をすることとなりました。

木曜日は、12年半ぶりの円安ドル高の水準の1ドル124円前半へ値下がりし、円建て金価格は上昇基調が続き、ドル建て金価格は、米国の中古住宅販売成約数や中古住宅販売保留が前回を上回ったことなどからも、一時トロイオンスあたり5ドルほど下げた後、前日の水準まで戻すことになりました。

金曜日金相場は、米国第1四半期GDPが、−0.7%と予想の−0.8%を上回ったものの、前回0.2%より下げ、マイナスとなったことから、多少ながら上昇しましたが、その後ほぼその上げ幅を失うこととなりました。

その他の市場のニュース


  • オーストリアの中銀が国外に保管している金準備の一部を自国へ持ち帰ることを発表したこと。

  • 先週土曜日に東京でゴールドフェスティバルが開催されたこと。

    ブリオンボールトニュース

    先々週に弊社日本媒介代理店が弊社サービスを日本でローンチしたこときっかけに、ブリオンボールトが世界初のオンライン金地金日本円市場を開設したということを、日経新聞を含み日本の多くの主要メディアで取り上げていただきました。

    今週の主要経済指標の結果は、下記のリンクでご覧いただけます。

    ロンドン/東京便り

    先週末から私は、日本に出張で来ているために、今週は東京からの便りをお届けします。

    先日来、ここでもご紹介させていただきましたように、私は先週土曜日に東京大手町よみうりホールで行われました、ゴールドフェスティバル2015に参加してきました。

    そこで、このイベントについて簡単にまとめてお届けしましょう。

    今回のゴールドフェスティバルは、金投資のみではなく、熊本大学准教授 海洋火山学者 横瀬久芳氏による、「黄金の国ジパング復活への挑戦という基調講演や、落語家 柳家花緑師匠による、「新作落語:外為裁き&金にまつわるトークショー」も行われ、興味深いイベントとなりました。


    また、私が登壇した第3部の「5カ国比較:日本の金、世界のゴールド」 では、各国の興味深いエピソードが紹介されましたので、 その一部をリストアップしてみました。


    • ドイツ


    第2次世界対戦以前にハイパーインフレーションを経験した世代が 、次世代へ金現物を保有することを奨励し、 誕生日やクリスマスなどのプレゼントに金貨を贈る習慣がある。


    • 英国


    1960年代以降、数々の経済危機を経験し、IMFの緊急支援も受けたことから、自国政府の金融政策などに不信感があり、金をポートフォリオヘッジ目的で、保有している。


    • インド


    結婚式の際に、娘の親が祝い用の金を含む費用を負担する慣習となっているために、3人娘がいると破産すると言われている。この伝統は今も続いており、食べるものを減らしても、金を嫁入り道具として準備するのが親の責任と思われているとのこと。また、ヒンドゥー教の祭りのディーワリーのダンテラスの日に金を買うと、縁起が良いとされ、この日に金の購入が進むとのこと。


    • 中国


    インドとは逆に、結婚式の際に息子の親が金を含む費用を負担。 親族は新婦に金の贈り物をする慣習がある。 また、中国の金の需給のデータを見ると、中国の中央銀行の人民銀行が金準備を3000トンを超えて増加していることは明らかであり、これは、人民元を世界の主要通貨とするための動きであろうとのこと。


     


    この後、 MSI代表 亀井幸一郎氏とスタンダードバンク東京支店長 池水雄一氏による、「金が分かれば世界が見える」という金の昨今の需給状況、今後の金相場の見通しなどの講演会が行われました。

     


    そして、展示場においては、弊社の日本における媒介代理店「ブリオン・ジャパン」もブースでお客様を迎えるなど、参加企業による様々なプレゼントも配布されました。


     


    当日の様子の写真を添付いたします。

    イベント開始前の大手町よみうりホール

    トークセッション終了後、登壇者の皆さんと控室で記念写真

    ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

    注意事項: ここで発信される全ての記事は、読者の投資判断に役立てるための情報です。しかし、実際の投資にあたっては、読者自身にてリスクを判断ください。ここで取り扱われる情報及びデータは、すでに他の諸事情により、過去のものとなっている場合があり、この情報を利用する際には、必ず他でも確証する必要があることを理解ください。Gold Newsの利用については、利用規約をご覧ください。

    SNSで最新情報を入手

    Facebook   TwitterYoutube

     

    貴金属市場のファンダメンタルズ