ニュースレター(4月22日)1243.25ドル ドル安コモディティ高の中、銀の急騰で金銀レシオ下落
週間市場ウォッチ
今週金曜日のLBMA金価格のPM価格は1243.25ドルと、前週同価格から1.3%上げています。
週明け月曜日は、前日のドーハでの原油生産会合で、原油産出凍結合意に至らなかったことから、原油が下げ、株価が下げる中、金相場は上げたものの、後に原油が戻す中リスクオフ傾向も薄れ、金は上げ幅を失うこととなりました。
翌火曜日は、上海黄金交易所(SGE)での人民元建て金の値決めが開始され、その時間帯から金相場は大きく上昇を初め、コモディティが全般上昇する中、トロイオンスあたり1256ドルまで上昇することとなりました。
また、銀相場はトロイオンスあたり17ドルを一時超えるまで上げ、これは同日5%の上昇で、2015年5月以来の高水準へと上げることとなりました。これにより、金銀レシオは、昨年11月以来の73.7まで下げることとなりました。
水曜日は、銀相場が過去11ヶ月で最高水準のトロイオンスあたり17.20ドルを超える中、金相場は、前日のドル安が多少戻る中、ほぼ前日の上げを維持して、1250ドルあたりを推移していましたが、ニューヨーク市場時間外に利益確定の売りで下落することとなりました。
ちなみに、主要経済指標では、前日の米住宅着工件数が、昨年10月以来の大きな減少率となりましたが、同日発表の米中古住宅販売件数は、市場予想を上回り、2ヶ月ぶりに増加していました。
木曜日は、市場注目の欧州中銀金融政策が行われ、政策金利は0%で据え置かれ、預金金利も-0.4%で据え置かれました。この発表前から、ドルが弱含み金相場は上げていましたが、ドラギECB総裁の記者会見後にドルが下げ幅を取り戻したために、金・銀共に同日の上げ幅をそれぞれ1.8%と4.3%失うこととなりました。
ドラギECB総裁の記者会見では、「金利は現行またはそれ以下の水準が長期続く」、「6月に社債買入を開始」、「インフレ率はマイナス後、年内に上向く見通し」、「インフレ目標を達成するためには適切な金融緩和が必要」とハト派的コメントが目立つものとなりました。
本日金曜日は、特に重要な経済指標の発表がない中、狭いレンジで取引が行われていましたが、ロンドン時間終了後にドルが強含む中、大きく下落しています。
来週26日と27日にFOMCが予定されていることからも、利上げ時期を見極めるFRBと、更なる緩和を視野に入れているECBとのコントラストが、ドルを押し上げている模様です。
ブリオンボールトニュース
今週は銀相場の上昇が顕著な中、多くの主要メディアで金及び銀が取り上げられ、ブリオンボールトもまた取り上げられることとなりました。
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ブルームバーグ「5つのチャートが示す銀の更なる強気市場の可能性」
この記事では、ETF、先物・オプション、金銀レシオ等のチャートをそれぞれ解説し、ブリオンボールトのリサーチ主任、エイドリアン・アッシュの「銀にはモメンタム(勢い)がある。投機家がその資金の行き先を探している際、銀がより一層その場所となりつつあるようだ。」と取り上げています。
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CNBCのTV18「金価格は(インドの)結婚シーズンで輝きを取り戻す」
ここではエィドリアンへ電話インタビューを取り上げ、昨今の先物・オプション市場において、銀のさらなる上昇に賭けるポジションが見られるが、トロイオンスあたり17ドルは超えないだろうという予想も取り上げています。
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米国主要経済サイトMarketWatch「中国が金価格の支配に一歩近づく」
この記事では、GoldForecaster.comの設立者のジュリアン・フィリップ氏が、今週始まった人民建て金値決めが「とても重要な」動きで「中国が金 価格を支配する」ために一歩近づいたと述べているのに対し、エィドリアン・アッシュの「中国政府が金の輸出を認めていないために、しばらくは、この中国版値決め価格は、世界のト レーダーの取引手段ではなく、中国の需給を表すものに留まる」というコメントが取り上げられています。
今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
ロンドン便り
今週は21日がエリザベス女王の90歳の誕生日であったために、それに関する様々なイベントについて報道されていますので、ここでも紹介いたしましょう。
エリザベス女王の実際の誕生日は4月21日ですが、英国王室の慣習で気候の良い6月の土曜日に公式な誕生日は祝うために、今年は公式行事は6月11日が予定されています。しかし、21日にも多くのイベントが行われました。
ま ず、女王の居城のウィンザー城の側に新たに設けられる「クィーンズ・ウォークウェイ」で、エリザベス女王が集まった人々と交流。そして、ウィン ザー城近くのアレグサンドラ・ガーデンで野外音楽堂の公式オープニングに列席。ハイドパークやロンドン塔で祝砲が鳴らされ、ウェストミンスター寺院の金が 打ち鳴らされ、同日夕方には国内最高峰のベンネビス山頂上を含む国内外1000カ所以上で祝賀のかがり火がたかれました。
昨夜は非公式行事としてチャールズ皇太子主宰の誕生日祝賀パーティがウィンザー城で行われたとのこと。また、誕生日に合わせて、エリザベス女王が孫やひ孫と撮った写真が公開され、記念切手も発売されています。
本 日は、英国を訪れているオバマ大統領とウィンザー城で会食をするなど、このような忙しいスケジュールを見事にこなしています。なお、昨年のエリザ ベス女王の公務の数は341件とのこと。未だに乗馬を楽しむ姿が、ウィンザー城の側では見られるなど、本当にお元気で引退の気配は全く見られません。
そ のようなことからも、英国の人々は女王陛下に引き続き在位して欲しいと望む声は多く、イプソスモリの世論調査では、引き続き在位して欲しいとの回 答は70%と、退任すべきとの回答21%を大幅に上回っています。また、イブニング・スタンダードの世論調査では女王に好意的な英国民は66%と否定的な 意見を持つ国民10%を大きく引き離してもいます。
エリザベス女王のユーモアのセンスもまた、英国民が女王を愛してやまない一つの理由でもありますが、昨日の誕生日には、昨年マルタで行われたイギリス連邦 の晩餐会での女王陛下のスピーチのビデオが女王のユーモアセンスを伝えるものとして、何度も放映されていました。
こ のビデオでは、首相に就任したばかりのカナダのジャスティン・トルド首相が、乾杯の挨拶の際に、彼自身が女王が在位中に仕える12番目のカナダの 首相で、彼の父親は4番目の首相だったと述べたことに対し、「私がどれだけ年を取っているかを思い出させてくれて、本当にありがとう。」と言ったというも のでした。
これからも、エリザベス女王は、数々の公務をこなしながら、このような素敵な逸話を残していくことになるのでしょう。今年6月に行われるエリザベス女王の公式の誕生日祝賀イベントについても、またここでご紹介させていただきます。
お知らせ
昨年は私もパネリストとして参加させていただいた、ゴールドフェスティバルが、今年は7月2日によみうり大手町ホールで開催されます。
その申し込み受付が先週から開始されました。いつも、申込受付から数週間で定員となる人気のイベントです。よろしければ、下記のリンクで早めにお申し込みください。
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