金市場ニュース

ニュースレター(3月13日)1152ドル 圧倒的なドル高で金相場は押し下げられる

週間市場ウォッチ

今週金曜日のPM Fix金価格は、トロイオンスあたり1152ドルと前週同価格から2%下げています。なお、このPM Fixは2010年4月以来の低さとなります。

週明け月曜日は、前週金曜日の好調な米雇用統計結果を受けて金相場が大きく下落したことから、中国やインドでの金需要が高まりアジア時間上げたものの、ロンドン及びニューヨーク時間で、FRBによる金利引き上げ観測が再び広まると共に、ECBの量的緩和が開始されたことも確認されたことから、ドル高ユーロ安も進み、金相場は押し戻されることとなりました。

翌火曜日は、前日の流れを受けて下げで始まり、ロンドン時間で多少反発したものの、ECBによる量的緩和の影響で、欧州国債が軒並み利回りを下げ、ドル高ユーロ安が更に進む中、結果的には前日比マイナスで終えることとなりました。

水曜日もまた金相場は下げ基調で始まり、一時トロイオンスあたり1150ドルと、昨年11月以来の低い水準まで下げることとなりました。これは、ドルインデックスが100近くまで上昇するドル高が進んでいることからですが、来週のFOMCを前に、早い時期での金利引き上げ観測は広がっており、ドル高に歯止めがかからない状況が続くこととなりました。

木曜日の金相場は、まず、アジア時間に底値拾いのアジアの需要の高さもあり、トロイオンスあたり1164ドルまで上昇したものの、ロンドン時間昼過ぎまでにほぼその上げ幅を失い、ロンドン時間午後に今週の注目経済指標である米小売売上高が-0.6%と前回及び予想を下回り、3ヶ月連続でマイナス数値となったことから、金相場は多少ではあるものの上昇して終えることとなりました。、

金曜日は、ドル高が過去12年間で最高水準に進む中、前日の上げを緩やかに失っています。これは、来週に控えるFOMCにおいて、金利引き上げを示唆する何らかの動きがあるという観測が広がっていることからです。

その他市場のニュース


  • アップル社が腕時計の「Apple Watch」の概要を発表し、純金仕様の最上位モデルが金相場を動かすのではないかという予想がメディアを賑わしていること。

ブリオンボールトニュース

話題となっているアップル社の腕時計「Apple Watch」の純金仕様の最上位モデルが金相場を動かすのかという、米著名経済サイトの「MarketWatch」 記事において、ブリオンボールトのリサーチ主任のエィドリアン・アッシュのコメントが取り上げられました。ここでエィドリアンは、「あるアナリストが2オ ンスの金を使用したApple Watchが1月に百万個売れるという予想は、ほぼ奇跡といえるだろう」とコメントしています。

欧米では13日の金曜日は縁起の悪い日と忌み嫌われています。それに関して、英国主要日刊紙ガーディアンが、この日に人々は結婚式や投資などにおいて、この日を避けるのかをデータと共にレポートしています。ここで、投資の分野では、ブリオンボールトの市場取引量が13日金曜日に減少していることが取り上げられています。


重要なお知らせ

毎年恒例の金投資に関する様々な情報が提供される「ゴールドフェスティバ ル2015」の公式サイトが昨日ローンチされました。今年の「ゴールドフェ スティバル」は5月30日に開催されます。この申込は本日13日(金)から開始されますが、毎年申し込み締め切り前に定員一杯となりますので、お見逃しの ないようにお申込みください。

なお、今年は私も「トークセッション:世界の金、その現実を現地の方に直接聞きます。5ヵ国比較: 日 本の金、世界のゴールド」に英国市場を代表し、パネリストとして登壇します。そのため、このニュースレター購読者の皆様も参加いただけましたら、会場で是 非お声をお掛けください。当日お会いできるのを楽しみにしています。

今週の主要経済指標の結果は、下記のリンクでご覧いただけます。

ロンドン便り

本日は、昨日66歳でアルツハイマー病で亡くなった、英国のSFやファンタジー小説の作家であるテリー・プラチェット氏についての英国での報道をお伝えしましょう。

テリー・プラチェット氏は、SFやファンタジー小説にユーモアを持込み、女性の登場人物を主要登場人物とした画期的な作家として、広く人々に愛されています。彼の代表作は、「ディスクワールド」や「遠い星からきたノーム」シリーズ等で知られており、彼の70を超える著者は36言語に翻訳され、全世界で8500万冊の売上を達成しています。

また、彼は2007年にアルツハイマー病を発症していることを公表し、アルツハイマー病研究財団に100万ドルの資金援助を行うことを発表するなど、アルツハイマー病の認知度を高め、その研究へのサポートに力を尽くしていました。

本日は、昨日プラチェット氏が亡くなった際に、彼の娘がプラチェット氏のツィッタ-口座で3つのツィートをつぶやき、フォロワーの方々に彼の死を伝えたことも報道されています。そのツィートは、彼の作品の「Death(死)」という登場人物が、常に大文字で会話をしたことから、下記のようにつぶやいたとのことです。

AT LAST, SIR TERRY, WE MUST WALK TOGETHER. (テリー男爵、いよいよ私達は共に歩まなければなりません。)

Terry took Death's arm and followed him through the doors and on to the black desert under the endless night.(テリーはDeath(死)の腕を取り、彼の後に従いドアを出て、明けることのない夜の真っ暗な砂漠へと歩みだしたのでした。)

The End.(終)

そして、このツィートを受けて、本日はプラチェット氏のファンが「「Death(死)」に愛する作家を返してほしい」というネット署名が始められ、既に数千の署名が集められたことも伝えられています。このネット署名のページには、その理由として、プラチェット氏は、「人生の中で、人々は手放してはいけない時もあることを知るべきだ。風船はそれを小さい子どもたちに教えるためにデザインされたものなのだ。」と生前に話していたことからとのことです。

愛されて止まないプラチェット氏のご冥福を心からお祈りします。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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