金市場ニュース

ニュースレター(2018年4月6日)1331.72ドル:米中の貿易戦争への懸念が市場を動かす中、雇用統計の悪化で金相場は上昇

週間市場ウォッチ

今月1日よりLBMA金価格の発表時間が翌営業日午前0時となりましたので、今週金曜日のLBMA金価格のPM価格は月曜日の発表となります。そこで、今後は金曜日のロンドン時間3時の弊社チャート上のスポット価格で前週比を算出します。本日のロンドン時間3時の金価格はトロイオンスあたり1331.72ドルで、前週の木曜日のLBMA金価格のPM価格からは0.6%上昇しています。

英国が祝日だった月曜日は、中国が先月の米国が鉄鋼とアルミニウムへの追加関税を課すとした輸入制限発動に対抗する形で、米国の豚肉やワイン等128品目に最大25%の関税を課すことを発表し、米中の貿易戦争への懸念が高まり、またトランプ大統領がアマゾンをツィッター上で非難したことから課税強化などが意識されてハイテク株が下げ、米株式が全般下げたことで、金相場はトロイオンスあたり1344ドルまで上昇していました。

火曜日は、前日の反動で米株価が上昇する中、ドルも強含み、金相場は一時トロイオンスあたり1329ドルまで下げるなど、前日の上げ幅の多くを失っていました。

水曜日は、前日ニューヨーク時間にトランプ政権が中国からの航空宇宙関連等約1300品目に知的財産侵害に対する制裁関税を課すことを発表したことに対し、同日中国政府が米国の自動車や飛行機などの106品目に25%の関税をかけると対抗措置を発表したことから、米中貿易戦争の懸念が再燃し、ロンドン午前中はドルが弱含む中金相場はトロイオンスあたり1347ドルまで上昇していました。

しかし、ロンドン時間昼過ぎに米雇用統計の先行指標と見られているADP全国雇用者数が発表され、予想の20.5万人を上回る24.1万人であったことから、FRBの利上げペースが速まる観測から、

また同時にトランプ政権の高官が中国を批判しつつも、交渉を通じて制裁発動を避ける可能性に言及したことも貿易戦争への懸念を後退させることとなり、ドルを強めて金相場を一時

トロイオンスあたり1332ドルまで押し下げることとなりました。

 

 

木曜日金相場は、ドルインデックスが一週間ぶりの大幅な上げを見せ、世界株価も上昇する中、トロイオンスあたり1322ドルへと下げていましたが、ロンドン時間遅くにトランプ大統領が中国製品1000億ドル対象の追加関税検討を米通商代表部に指示したことが伝えられ、金相場は上昇して1328ドルほどで終えていました。

本日金曜日は、市場注目の米雇用統計の発表を待つ中、金相場は前日の上げ幅を緩やかに失っていました。しかし、発表された非農業部門雇用者数は103,000人と今回予想の193,000人の予想を大きく下回ったことで、トロイオンスあたり1334ドルまで大きく上げることとなりました。

なお、失業率は前回同様4%で予想の4.1%を下回りましたが、平均時給は前年比2.7%と予想どおりとなり、前回の2.6%を上回っていました。

その他の市場のニュ―ス

  • 英国貴金属コンサルティング会社Metals FocusのGold Focus 2018のローンチがロンドン、トロント、ムンバイ、ドバイで同時に行われたこと。このレポートでは、2017年の金の需給をまとめ、金供給は2018年は2017年から0.5%増で需要は1.5%増とほぼ変わらずとのこと。そして金価格は2018年末に1450ドルへ上昇する可能性があり、2018年の平均は1345ドルと予想。

  • 金ETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェアは、今週木曜日までに1.8トン増の854トンとなっていること。

  • 先週末に発表された、貿易戦争の懸念や主要国のロシアの外交官追放等を受けて金価格が上昇していた先週火曜日、コメックス貴金属先物・オプションの資産運用業者のネットロングポジションは、金と他の貴金属が異なる動きをしたことが明らかとなっていたこと。

  • 金の先物・オプションの資産運用業者のネットロングポジションは、41.86%増の537トンとなっていたこと。これは、週間の増化率(%)としては、2017年8月1日以来の高い水準で、そのネットロングポジションは今年2月20日以来のほぼ1月ぶりの高さ。

  • 銀の先物・オプションの資金運用業者のポジションは、7週連続ネットショートとなっていたこと。しかし、そのネットショートポジションは3.8%と多少ながら減少し、5265トンとなっていたものの、引き続き記録的な規模。

  • プラチナの先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、先週火曜日に35.78%減の12トンと5週連続で減少し、今年1月2日以来の低い水準となっていたこと。

  • パラジウムの先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションも3.14%減の36トンと4週連続で減少し、2016年11月15日以来の低い水準となっていたこと。

ブリオンボールトニュース

弊社が毎月まとめています金投資家インデックスのプレスリリース「[金投資家インデックス] 株式市場が下げる中、投資傾向は価格に敏感なものから変わらずが、金の情報を日本語で網羅するゴールドニュースサイトで紹介されました。

今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。

 

ロンドン便り

今週も英国では、ロシアの元二重スパイの暗殺未遂事件関連ニュースがトップニュースで伝えられていますが、それと共に、ロンドンで殺傷事件が続いていることが大きく伝えられています。

今月2日には、ロンドンの今年2月~3月の殺人事件がニューヨークを上回っていることが伝えられていましたが、昨夜は90分の間に、ロンドンで6人のティーンエイジャーが刃物による傷害事件の被害者となったことが本日伝えられいます。この6人の被害者は、全てロンドン市内ではあるものの、異なる4つの場所で事件に遭遇しています。

ロンドンとニューヨークの人口は共に850万人強とのこと。今年に入って1月の殺人事件の数はロンドンは8件で、ニューヨークは18件。しかし2月と3月はロンドンがそれぞれ15件と22件であるのに対し、ニューヨークは11件と21件とロンドンが上回っています。

また4月2日には、17歳の女の子が行きがかりの車から銃で撃たれ死亡し、そこから遠くない場所で、やはりこの事件の1時間以内に16歳と15歳の二人の男の子が銃と刃物からの傷で倒れているところが発見されていました。

このように殺傷事件が多発している背景は、金融危機以来の緊縮財政で警察への予算が大幅にカットされたことや、サイバー犯罪やテロなどの急増からその対応に追われ見回りなどをする人員が足りず、従来の地元コミュニティーとの繋がりが薄くなってしまっていること等が上げられています。

既に昨年7月にサディック・カーンロンドン市長がナイフ販売対策に40万ポンド(約5200万ポンド)を充てることを発表していましたが、英政府はティーンエイジャーの刃物を使った犯罪の予防を目指し、ソーシャルメディアなどの広告活動に135万ポンド(約2億円)の予算を割いているとのこと。

このような地道な啓蒙活動と日々のコミュニティーの努力が今後も必要となるのでしょうが、この暴力の連鎖が一日も早く終わることを願うばかりです。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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