ニュースレター(2018年1月12日)1326.80ドル:ドル安が進み金相場が4ヶ月ぶりの高値へ
週間市場ウォッチ
今週金曜日のLBMA金価格のPM価格はトロイオンスあたり1326.80ドルと前週同価格から0.7%上昇しています。
週明け月曜日は、日本が成人の日で祝日である中、金相場は、一時トロイオンスあたり1316ドルへと下げたものの、その後1320ドルまで戻す狭いレンジでの動きとなりました。
この間株式市場はほぼ全般上昇しており、ドルインデックスも少ないながら強含んでいました。
火曜日金相場は、世界株価とドルが強含む中、トロイオンスあたり1310ドルへと下落して終えることとなりました。
ドルは12月末以来の高値、日経平均終値が26年ぶりの高値、S&P500が6営業日連続で上昇していたこと等からも、金相場は1月4日以来の低値を付けることとなりました。
これは、米景気を楽観視していること、金利上昇観測が広がっていること等が要因となりました。
水曜日金相場は、一時トロイオンスあたり1324ドルを付けた後、1318ドルで終える事となりました。
この動きの背景は、同日米ブルームバーグが「中国政府が米国債の購入縮小や休止を検討している」と伝えたことで、米10年物国債利回りが一時2.59%前後と昨年3月以来の水準に上昇し、米株式がドルインデックスと共に下げたこと等からでした。
また、その他市場のニュースとしては、日銀が9日国債買い入れを減額したことで、出口戦略ではという思惑が広がり、円が111.46円と6週間ぶりの円高となっていました。
木曜日金相場は、ドルが0.3%弱含む中トロイオンス1321ドルへと上昇することとなりました。
この要因は、同日発表された欧州中央銀行の議事録がタカ派的であったことから、ユーロが強含み、ドルが相対的に下げ、また同日発表された米国生産者物価指数が前回及び予想を下回ったこと、新規失業保険申請件数が悪化し、4週連続で増加していたことなどからでした。
本日金曜日は、ドルインデックスが9月半ば以来の低値を付ける中、やはり9月半ば以来の高値のトロイオンスあたり1332ドルを一時付け、現在ロンドン時間午後5時前に1331ドルを推移しています。
本日はユーロが、ロンドン時間午前中に対ドルで3年ぶり高値となっていす。これは、ドイツの政権発足に向けた連立協議が進展し暫定合意に至ったことや、昨日公表された欧州中央銀行の議事要旨がタカ派的であったことからでした。これにより、昨日同様に相対的にドル安が進むことになった模様です。
また、米国債の2年物の利回りが2%を2008年9月以来初めて超えています。これは、本日発表された米国消費者物価指数のコアが前年比予想1.7%を上回る1.8%であったことなどから、FRBにより利上げ観測が広がったことからの模様です。この発表を受けて金は多少下げましたが、その後その下げ幅を取り戻すこととなりました。
その他の市場のニュース
- 先週末発表された先週火曜日のコメックス金先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは、38%増加し474トンとなっていたこと。これにより先月12月の弱気傾向が薄まり、3週連続でネットロングが増加し、11月28日以来の高いネットロングポジションの量となっていたこと。
- 銀の先物・オプションの資金運用業者のネットポジションは、先週火曜日に価格が上昇する中で4週間ぶりにネットロングとなっていたこと。
- 金ETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェアは、今週木曜日までに6トン減少し、828トンと昨年8月末の低い水準となっていたこと。
ブリオンボールトニュース
今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。
ロンドン便り
今週は日本に入っていますので、ロンドン便りはお休みをさせていただきます。