金市場ニュース

ニュースレター(2017年9月22日)1294.80ドル:FOMCでの12月利上げ予想とタカ派的コメントで下落後北朝鮮の緊張で多少戻す

週間市場ウォッチ

今週金曜日のLBMA金価格のPM価格はトロイオンスあたり1294.80ドルは、前週同価格から2.1%下落しています。

月曜日金相場は、株式市場が上げリスクオンとなる中、安全資産と見られている円が8週間ぶりの水準の111.45円へと下げるように、トロイオンスあたり1307ドルと1%程下げることとなりました。

これは、市場の注目は火曜日と水曜日に行われるFOMCへと移り、S&P500種とダウ工業株30種平均が史上最高値を更新し、長期金利も上昇をしていることからも、金は押し下げられていたことからでした。

火曜日金相場は翌日のFOMCの金融政策発表を待つ中、トロイオンスあたり1310ドルを挟んで狭いレンジでの取引となりました。

なお、同日日経平均株価は3カ月ぶりに年初来の高値を上回っていましたが、米国株価は全般堅調な動きを見せて同日も終値ベースでダウ工業株30種平均は最高値を更新していました。

また、トランプ米大統領の就任後初めての国連総会の一般討論演説では「米国と同盟国を守ることを迫られれば、北朝鮮を完全に破壊する以外の選択はない」と強く警告したものの、市場は北朝鮮情勢に大きな変化は無しと見た模様で大きな動きはありませんでした。

水曜日ロンドン時間午後7時過ぎに発表されたFOMCの声明では、予想通り政策金利は据え置かれましたが、量的緩和政策を完全に終結し、保有資産の縮小を10月から開始することが発表されました。また、利上げ予想は当局者12人が年内に1度の利上げ見込んでいることが明らかになり、FEDWatchの金利予想が前日の56.6%から発表後70.5%へ上昇することとなりました。

そのために、ドルインデックスは発表後0.5%上昇し、金相場はトロイオンスあたり1301ドルへと10ドルを超えて下落することとなりました。

木曜日金相場は前夜のFOMCで12月の利上げが示唆され、イエレンFRB議長の記者会見も全般タカ派的と市場は見たことから、ドルインデックスと長期金利が上昇し、金は8月末の低い水準であるトロイオンスあたり1290ドルまで下落することとなりました。

また、同様に市場注目の日銀金融政策決定会合ではマイナス金利0.1%維持され、長期国債の買い入れ額は概ね現状程度(年間80兆円増)という異次元緩和が継続されることになったことから、日本円は対ドル112.49円と2ヶ月ぶりの円安、日経平均株価は20,347.48円と2015年8月18日以来の高さで引けていました。

本日金曜日は、日本時間朝に金正恩委員長が、北朝鮮を「完全に破壊する」と警告したトランプ米大統領の国連演説に対し、「過去最高の超強硬な措置の断行を慎重に検討する」との声明を発表したことが伝えられ、これは「太平洋での水爆実験」を意味するという李容浩外相のコメントも伝わったことから、金相場がトロイオンスあたり1298ドル近くまで上昇することとなりました。

その他の市場のニュース


  • 先日9月25日からLBMA銀価格の運営会社が、CMEロイター・トムプソンから現在LBMA金価格を運営しているICE Benchmark Administration(IBA)へと移行することが伝えられていましたが、この日程が10月2日になったことが伝えられていたこと。

  • 日本の金投資需要が北朝鮮危機への懸念で第2四半期に増加したことが、英国貴金属専門調査会社のGFMSトムソン・ロイターのデータで明らかになったことが伝えられていたこと。

  • インドの金輸入が今年4月から8月までに、前年同時期の3倍の150億ドルへ達していたことが伝えられていたこと。その一因は韓国からの輸入の急増で、それは7月1日から導入されたインドのサービス・物品税で、自由貿易協定を結んでいる国からの金の輸入の関税(10%)が撤廃されたからとのこと。このため、先月韓国からの金輸入に仮の制限が加えられたとのこと。

  • 先週末に発表されたコメックスの金先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは9週間連続で増加し、その残高の評価額は350億ドルを超えて12ヶ月ぶりの高さとなっていたこと。

  • コメックス銀の先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションも、8週間連続で上昇し、その残高の評価額は67億ドルと前週から22%増加していたこと。

  • 金ETFの最大銘柄SPDRゴールドシェアは、今週金相場が下げる中その残高を木曜日までで13.6トン増加させていたこと。

ブリオンボールトニュース

英国主要日刊紙のエイクスプレスで、「ビットコインは新たな金なのか?」という記事でブリオンボールトのリサーチダイレクターのエイドリアン・アッシュのコメントが取り上げられました。

ここで、エィドリアンは「ビットコインは金と比べることはできない」と述べ、その理由として「金の価格は危機時に上昇する保証はないが、他の複雑な現物資産ではない資産クラスが値を下げる際に、古くから資産価値を上げてきたという魅力がある。」とし、「現在バブル状態にある仮想通貨とは大きく異る。」とした上で、「金の魅力は、現物資産で株や債券のように作り出すことができず、破綻時に資産価値が無くなることもない、そして不動産のように売買に時間を必要とせず、世界で取引される流動性の高い資産である、そのシンプルさだ。」と解説しています。

今週の市場分析ページには下記の記事が掲載されました。

ロンドン便り

今週は、本日ロンドン交通局が、自動車配車サイトでアプリのUber(ウーバー)へのライセンスを更新しないことを決定し、速報として広く伝えられているのでご紹介しましょう。

日本では一部特区で自家用車の利用が検討されているようですが、このサービスは既にロンドンを含む世界600都市で既に利用されています。ロンドンでは、2012年7月に5年間のライセンスを得て運営されていました。

今回ウーバーへのライセンスを更新しなかった理由は、ウーバーが民間配車会社として「適正」ではないという理由ですが、更に言うと「一般の人々の安全を考慮した」とのことです。

ウーバーは直ちにこの決定の見直しを求めて法的手続きを行うと発表しています。ライセンスは9月30日までとなっていますが、この法的手続きを行う21日間は引続き運営できるとのことですので、このサービスが直ちに使えなくなるわけではありませんが、ロンドンの人々にとってはショックであることには変わりありません。

それは、ウーバーの利用者は既に350万人を超え、4万人が運転手として働いていることを考慮すれば、想像いただけることでしょう。

ウーバーの手軽さは、ロンドンで古くから知られているブラックキャブのほぼ半額で利用できること。また、スマートフォンアプリで簡単に必要な場所に来てもらえ、支払額は事前に通知され、その支払は登録しているクレジットカードから引き落とされるキャッシュレスである等といったことからでしょう。

ロンドン交通局は、ブラックキャブ等の既存のサービスからの要請で、ウーバーへのライセンスに関しては当初、ドライバーが英語のテストを受けなければならない、ロンドン市内の地理を勉強しなければならない、また利用者からのリクエストを受けて5分間は準備のために待たなければならない等と様々な条件を付けたものの、裁判でその条件が認められずに、世界で利用されていると同等のサービスが可能となっていました。

既にロンドン交通局にウーバーへのライセンスを認めるよう要請する署名運動が始まっているようですが、今回の決定も前回同様に裁判でウーバーの主張が認められるのか興味深く見ていきたいと思います。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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