金市場ニュース

ニュースレター(2017年9月1日)1320.40ドル:地政学リスクの高まりと予想を下回る米雇用統計で上昇

先週は夏季休暇をいただいていましたので、通常金曜日に発信していますニュースレターを本日週明け月曜日に発信しています。

週間市場ウォッチ

先週金曜日のLBMA金価格のPM価格はトロイオンスあたり1320.40ドルと前週同価格から2.7%上げていました。

週明け28日月曜日金相場は、直近のレジスタンス(上値)のトロイオンスあたり1300ドルを超えて1311ドルまで上昇することとなりました。

同日英国は祝日でしたが、前前週金曜日のジャクソンホールでのイエレンFRB議長とドラギECB総裁が共に金融政策に全く触れなかったことからも、ドルインデックスが弱含み、米国株式はハリケーン・ハービーの被害規模を見極める中、保険業種が下げ全般軟調な動きとなっていました。

なお、前週末に北朝鮮がミサイルを発射した件では、ティラーソン国務長官が「平和的な圧力強化の取り組みを続ける」と表明していることからも、地政学的リスクの高まりは強くないと市場は受けとめていたようでした。

翌火曜日金相場は、北朝鮮が北海道上空を超えて弾道ミサイルを通過させたことから地政学リスクが高まり、トロイオンスあたり1325ドルと11ヶ月ぶりの高さへと上昇することとなりました。また、ドルインデックスは一時2年ぶりの低い水準へと下げていました。

また、金同様に円とスイスフランクも買われ、円は一時1ドル108円33銭近辺と約4カ月ぶりの円高水準で、スイスフランクは2年ぶりの高さとなっていました。

その後市場は落ち着きを取り戻し、金相場は1314ドルへと戻すこととなりました。

なお、同日発表の米ケースシラー住宅価格指数と消費者信頼感指数は共に予想を上回っていました。

水曜日金相場は、米朝の軍事衝突はないとの見方が広がり、株価が戻しドルが強含む中、狭いレンジの取引となっていました。

しかし、同日トランプ大統領は「(北朝鮮との)会話は解決にはならない」とツィートし、金正恩委員長の「今回の訓練はわが軍隊が行った太平洋上での軍事作戦の第一歩で、グアム島をけん制するための意味ある前奏曲となる」というコメントも伝えられていたことからも、下げ幅は限られていました。

なお、金曜日に発表された米雇用統計の先行指標と見られているADP全国雇用者数は 23.7万人と、予想 18.5万人と前回 17.8万人を上回り、米第2四半期GDPは、前期比年率 3.0%と、予想 2.7%、前回 2.6%を上回っていました。

木曜日金相場は、トロイオンス1321ドルへと上昇することとなりました。これは、ムニューシン米財務長官が「ドル安は米貿易にとって多少の支援材料に」というコメントで、ドルが弱含んだことからでした。

なお、同日発表の米中古住宅販売仮契約(前月比)は -0.8%と予想 0.3%、前回 1.5%を大きく下回りました。また、米個人所得は前月比0.4%と、予想0.3%と前回0.0%を上回り、米PCEコア・デフレーターは予想と同水準となりました。

金曜日金相場は、昨年の米大統領選の結果が明らかとなった11月9日以来の高水準のトロイオンス1327ドルを一時付けた後に下げたものの1325ドルで終えることとなりました。

これは、同日市場注目の米雇用統計が、非農業部門雇用者数が15.6万人と、予想18.0万人と前回20.9万人を下回り、失業率も4.4%と、予想4.3%と前回4.3%を上回ったことから、発表後にトロイオンスあたり10ドルほど上昇したことからでした。

しかし、その後発表された米ISM製造業景況指数は58.8と、予想 56.5と前回 56.3を上回ったことからもその上げ幅を多少失うこととなりました。この間ドルインデックスはほぼ逆の動きをしていました。

なお、33人の死者と10万家屋に被害を出したハリケーンハービーの一次支援額として、トランプ大統領は来週59億ドル(約6500億円)の支出を議会に求めること、これにより9月29日の債務上限に至る日程が前倒しになる可能性があるとムニューチン財務長官が述べたことも同日伝えられていました。

その他の市場のニュース


  • フォートノックスにある財務省管理の金地金保管所が40年ぶりに、1億4700オンス(1860億ドル相当)の金準備を政治家などの代表団へ公開したことが伝えられていたこと。

  • 前前週末に発表されたコメックス金先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションは8月22日に9.35%増と6週連続で増加していたこと。このショートポジションは2012年12月以来の低い水準となっていたこと。

  • 同様に8月22日のコメックス銀先物・オプションの資金運用業者のネットロングポジションも20%増と、5週間連続で増加していたこと。

  • 金ETF の最大銘柄SPDRゴールドシェアは先週金曜日に14.8トン増で2016年7月5日以来の1日の増加量で、週間では26.1トン増で831トンとなっていたこと。

ブリオンボールトニュース

数週間前にブリオンボールトのグループ会社でスコッチウィスキーを製造販売しているジェームズ・イーディ(James Eadie)社は、エジンバラで行われたWhisky Fringe Festival(ウイスキー・フリンジ・フェスティバル)に参加していました。

このフェスティバルには3日間で1500人近くが参加し、そのチケットは30分で売り切れになるほどの人気のイベントであったようです。

ここで、参加者による展示企業のウイスキーの人気投票が毎年行われますが、今年は最も素晴しいアイラウイスキーのカテゴリーで、弊社ジェームズ・イーディ(James Eadie)のCaol Ila 8(カレラ8年物)スモールバッチが7位に入りました。このウイスキーは、トップ10の中で唯一50ポンド(約7000円)以下で販売されているウイスキーであったとのことです。

今年10月からこのウイスキーは日本でも販売が開始されますので、その際はまたここでご紹介いたします。

ロンドン便り

先週の英国でのニュースとしては、8月31日がダイアナ妃が没後20年ということで、多くのドキュメンタリーやウィリアム王子とハリー王子のインタビューが伝えられていました。そしてこのインタビューでは、ウィリアム王子とハリー王子は、今回これまでになく率直にダイアナ妃との思い出を語っていましたので、ニュースでも多く取り上げられていました。

それは、ダイアナ妃の国葬で当時12歳と15歳だった彼らが棺の後をチャールズ皇太子と共に歩いた時の気持ちやどのようにそれが決定されたかについてや、彼らはパパラッチと呼ばれる有名人を付け回してスクープ写真を狙うカメラマン達への気持ちを語り、ダイアナ妃が何度パパラッチに酷い追われ方をして泣いていたか、またパパラッチがダイアナ妃が亡くなった際も、事故で重症を負って車の中でいるダイアナ妃を助けること無く写真を撮っていたということを受け入れることがいかに難しかったかとも語っています。

しかし、インタビューは必ずしも辛い思い出ばかりに焦点があてられているのではなく、ダイアナ妃がウィリアム王子がポスターを自分の部屋に飾り恋い焦がれていたトップモデル数人をケンジントンパレスに内緒で招待をしてウィリアム王子を驚かした楽しい思い出も語り、彼らが覚えているダイアナ妃は子供のように無邪気に笑っている姿であるとのこと。そして、ウィリアム王子の次の言葉は母親の死後の彼らの生き方を伝えているようでした。

「私は(母親の死が)自分を壊すのではなく、自分を成長させることを望んだのです。私は彼女が誇りに思う人になりたかったのです。そして彼女が(私達を)心配すること無く、彼女のレガシーが、私とハリーが悲しみに埋もれてしまうことで、彼女が私とハリーに注いだ愛情とエネルギーが無駄になってしまうということではないようにしたかったのです。」

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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