ニュースレター(2013年5月31日)1394.50ドル 株安ドル安が金価格を押し上げたものの1400ドルを割り込む
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix価格は、トロイオンスあたり1394.50ドルと前週同価格から0.3%の下げとなりました。前月末同価格比では、ドル建てでは5%の下げとなりました。
週明け月曜日は、英国と米国が祝日の中、狭いレンジの取引となりました。
翌火曜日、金価格は前日とは異なり、トロイオンスあたり1376ドルから1398ドルの広い幅で神経質な上げ下げを繰り返しました。これの要因は下記のようになります。
- コメックスの6月コントラクトのショートカバーで金価格は引き上げられたこと。
- 同日発表された米国主要経済指標の3月S&P/ケース・シラー住宅価格指数は、前年比10.9と7年ぶりの水準となり、同国5月消費者信頼感指数も76.2と、過去5年間で最高水準となったことから、量的緩和後退の観測が広まり金価格を押し下げる要因となったこと。
- それに加え、同日IMFが発表した4月の中央銀行の金購入も30トンに至ったことから、市場センチメントが好転し金価格を押し上げる要因となったこと。
水曜日、金価格は緩やかに上昇することとなりました。これは、株式氏市場が下げ、ドル安となったこともあり、株価とドルと負の相関関係をほぼ保っている金価格は上昇することとなったためです。株価とドルが下げた背景は、米国経済指標が経済の回復を見せている中、FRBの金融緩和早期終焉の観測が広まり、株式市場へ流れ込んでいる資金が減少すること、また、米国債の利回りが上昇しつつあることなどが、懸念材料となったためです。
木曜日もまた、金価格は上昇することとなりました。これは、前日の米国株式市場の下げを引き継いで、日本の株式市場が下げ、それが連鎖的にアジア市場にも広がる中、更なる株安の懸念が広がったためです。
それに加え、同日発表の米国第1四半期GDPが2.4%と予想を下回り、5/25までの州の新規失業保険申請件数が、35.4万件と前回と予想から悪化したことから、量的緩和早期終焉の観測が後退し、金価格はトロイオンスあたり1400ドルを超え、一時急騰することとなりました。
本日金曜日は、ロンドン時間中に前日の上げを削ることとなりました。これは、前日、前々日と下げた株価が戻したこと、また、ロンドン時間午後に発表された米国経済指標の5月シカゴ購買部協会景気指数は、58.7と予想と前回を上回り過去一年間で最も高い水準となり、5月ミシガン大消費者信頼感指数も、84.5と前回と予想を上回り、2007年以来の高い水準となるなど、米国経済回復が示唆され、量的緩和早期終焉観測が再び広まったことからです。
市場ニュース
- IMFの発表で、ロシアが8.4トン、カザフスタンが2.6トン、アゼルバイジャンが1.0トン金を購入したことが明らかとなったこと。
- ワールド・ゴールド・カウンシルが、アジアの金需要が今四半期(4月から6月)が記録的な水準となることを発表したこと。この詳細は、「アジアの金需要が第2四半期に記録的水準に」でご覧ください。
ブリオンボールトニュース
今週は、今四半期のアジアの金需要の高さについて、弊社リサーチ主任のエィドリアン・アッシュと米国市場責任者のミゲル・ペレス-サンタイアのコメントがそれぞれ主要メディアで取り上げられました。
今週市場分析ページには、下記の記事が掲載されました。
- ブリオンボールトの米国市場責任者ミゲル・ペレスーサンタイアの「中国の銀輸入の意味するもの」
- ブリオンボールトリサーチ部門の「アジアの金需要が第2四半期に記録的水準に」
- はじめての金読本「2013年第1四半期はトレンドの転換期?」
また、今週の主要経済指標の結果と解説は、下記のリンクでご覧いただけます。
ロンドン便り
今週も英国では、先週のイスラム過激派が英国軍兵士を殺害した事件関連のニュースが多く伝えられていました。現役の兵士が英国内で襲われたということは、英国の人々にとっては大きなショックであり、殺害現場には、未だに献花する人々が絶えません。その中で、希望が持てるニュースとしては、この事件後、反イスラム過激派がイギリス各地で抗議活動を行なう中、ヨークにあるモスクへ抗議デモに向かったグループが、モスク内への招待を受け入れ、ビスケットと紅茶で歓待され話をする中で打ち解け、皆でサッカーのゲームを行なったというものです。
英国のイスラム教徒人口は2.7百万人と、英国全体の4.8%を占めているとのこと。イスラム教の人々も、このような事件を起こすイスラム過激派を非難しています。また今回の被害者の家族も、反イスラム過激派を含む人々に、落ち着くことを呼びかける声明を今日発表しています。
今回のヨークでの出来事のように、話し合うことで、異文化を背景に持つ人々が分かり合い、共存していける社会へと近づくことを祈るばかりです。
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