金市場ニュース

ニュースレター(1月8日)1101.85ドル 中国リスク、中東リスク、北朝鮮リスクの高まりで金上昇

新年明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

良いお正月を過ごされましたか?私は、日本に現在帰国中ですので、今週は簡易的なニュースレターをお届けします。

週間市場ウォッチ

今週金曜日のLBMA金価格のPM価格はトロイオンスあたり1101.85ドルと、昨年31日の最終価格(AM)から3.6%上昇しています。

新年明けの金融市場は荒れて始まりました。それは、中国の製造業PMIが予想を下回り、中国株価が7%下げ、今年から導入されたサーキット・ブレーカーが作動し取引が打ち切られ、中国経済への懸念が高まったことが一つの要因でしたが、それに加え、サウジア ラビアがイランとの外交関係を断絶することが伝えられ、バーレーンとスーダンもまた、イランとの外交関係を断絶すると相次いで表明したことから、中東情勢 への懸念も高まり、世界的に株価が下げる中、金相場は原油と共に上昇することとなりました。

翌火曜日は、金相場は、特に大きな経済指標がない中、前日の上げを保つ事となりました。

同日、中国人民銀行が200億ドルを銀行システムに注入し、今年新たに株式市場に導入されたサーキットブレーカーが株式市場の動きにより良く作用するこ とを目指すというコメントなどが好感され、中国株式市場は安定化したものの、クウェートも駐イラン大使を召還したことが伝えられるなど、中東情勢への懸念 が再燃されることとなりました。

水曜日は、日本時間午前中に北朝鮮が水爆実験をしたことが伝えられ、リスクオフの動きで金が買われました。また、欧米の株式市場が下げ、原油価格が過去11年間で最低値の35ドルを割り、中国人民元が対ドル2010年以来の最低値を付ける中、ドル建てでトロイオンスあたり1090ドルを超え、過去1月間の最高値を記録することとなりました。

なお、今週金曜日の米雇用統計の先行指標でもあるADP全国雇用者数が25万7千人と前回修正値の21万1千人と予想の19万2千人を上回ったことから、一時金相場は多少押し下げられた後上昇することとなりました。

それに対し、銀は金の上げに伴わず、トロイオンスあたり14ドルを維持することはできませんでした。

そのために、金銀レシオは77.7と上昇しました。このレシオは過去45年間の平均は54で、昨年10月に過去7年間で最も他界79まで上昇していました。2015年には、このレシオが70以下となったのは3営業日のみと高止まりしています。

木曜日金相場は、トロイオンスあたり1100ドルを超え、過去2ヶ月で最高値へと上昇しました。これは、2016年に入り4%の上げとなります。

これは、人民元が対ドル過去5年間で最低水準へ下げる中、4日に続き中国株価が市場開始後29分で7%急落して、サーキットブレーカが作動し、中国リスクが再燃したことが要因となります。

なお、昨年中国株式市場急落時に導入されていた、上場企業の大株主に対する持ち株売却禁止令が翌日解除される予定となっていました。

また、WTI原油先物相場は、1月6日の取引で1バレル32.10ドルを記録し、2004年1月以来の安値を更新しました。

金曜日は、一時ドル建てでトロイオンスあたり1094ドルと、過去9週間で最高値から1.6%下落することとなりました。

これは、同日発表された米雇用統計の非農業部門雇用者数が予想の50%増の29.2万人となったことからでした。

なお、上海株式市場で今年から導入され、既に2回作動した7%以上下げることで作動するサーキットブレーカは同日廃止され、終日取引が行われ、前日比1.3%上昇と落ち着きを取り戻していました。

しかし、日経平均株価は年初から5日間連続で下げ、これは戦後始めてのこととなりました。

その他の市場のニュース

  • アラブ首長国連邦の中央銀行が、その金準備を11月に前月比38.7%増のAED9億3400万ディルハル(約306億円)へとAED6億7300万(約220億円)から増加させていたことが先週伝えられていました。
  • メリルリンチもまた、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)の金・銀オークションにマーケットメーカーとして参加することが発表され、14社がこのオークションに参加となったこと。
  • 中国の外貨準備が月間として記録的に減少したことと、中国中央銀行が12月に再び19トンの金準備を増加させていたことがで伝えられたこと。
  • 昨年10月に米国への宝飾品の輸入が、プラチナが60%増となるなど、過去7年間で最高となっていたことがロイターで伝えられたこと。

ブリオンボールトニュース

今週の英国主要経済誌「Money Week」で、ブリオンボールトの設立者でCEOのポール・タスティンが、起業家の欄で取り上げられました。ここでは、なぜ、そしてどのようにポールがブリオンボールトを設立するに至ったのか、そして最新のプロジェクトである、Whisky Invest Directの設立の背景と、起業するために必要なポイントがポールへのインタビュー記事として掲載されています。

ロンドン便り

日本帰国中ですので、お休みさせていただきます。

元旦に鎌倉七里ヶ浜で日の出時に撮影した富士山の写真をお届けします。

新年が皆様にとって素晴らしい年となることをお祈りしています。

 

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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