インド政府が金宝飾品の輸入関税を15%へ引き上げる
インド政府が、金宝飾品への輸入関税を現行の10%から15%へと引き上げたことを、本日ロイターが伝えている。
この措置は、インドの経常収支に影響を与える莫大な量の金輸入を減らす目的よりも、インド国内の宝飾業界を保護する目的とのこと。そのため、金地金への輸入関税は10%と据え置かれる。これにより、インドの消費者がインド製の宝飾品を購入することを強いられることとなる。
今回の措置がインドの金需要に及ぼす影響は限られるとロイターは分析している。それは、宝飾品が金輸入に占める割合は少ないものであるため。ちなみに、インドの今年4月から7月までの金の宝飾品の輸入額は1億3757万ドルであるのに対し、金輸入総額は7月のみでも29億ドルとなっている。
最新のトムソン・ロイターGFMSのレポートによると、今年前半期のインドの宝飾品製造のための金需要は、25%増の350トンと、2011年以来の高水準となっている。これは、2012年末の需要が持ち越されたことと、第2四半期の価格の下げが要因。そのため、第2四半期の需要は2008年以来の高水準となった。
インドは今年に入り、経常収支改善とルピー安支援のために、生活必需品でない品目で最も膨大な額の輸入品である金の需要を減らすために、今年既に3度関税を引き上げると共に、下記のような様々な規制を導入している。
- 金を利用したローンを禁止
- 金硬貨およびメダルの輸入を禁止し現金決済を義務付け、すべての金輸入について外国貿易当局からの認可取得と保税倉庫への搬入を義務付けた
- 輸入した金の20%を輸出に振り向ける必要があるとした
このような試みにもかかわらず、先のトムソン・ロイターGFMSのレポートによると、今年第1四半期の金の輸入は前年同四半期比7%減となったものの、第2四半期は価格が下落したことから75%増となり、前半期の金の輸入は前年同半期比26%増の563トンとなっている。
本日金の現物価格は、米連邦公開市場委員会(FOMC)が量的緩和縮小を決定するという観測から、トロイオンスあたり1300ドルを割っており、年初から22%の下げとなっている。米連邦準備制度理事会が打ち出してきた量的緩和は、インフレヘッジの側面を持つ金の魅力を高め、2011年にトロイオンスあたり1900ドルへと押し上げていた。
この関税引き上げは、金の需要がピークを迎える10月からのインドの結婚シーズンを前に導入された。それは、国内宝飾業界が、タイ、マレーシアなどの国々からの安価な宝飾品が輸入されることを憂慮し、要請したことから。
「これは、国内宝飾業界を助け、製造業界もサポートすることになるだろう。」と全インド宝石・宝飾品貿易協会のハレシュ・ソニ会長がコメントしている。
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