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アルゴリズム取引によって動かされる金価格

電子取引プラットフォームと自動化されたアルゴリズム取引は、金価格の動きの原因を隠しているといわれています。

欧州はデフレに陥るかもしれません。そして、ギリシャが再選挙後ユーロ離脱を免れたとしても、1.1兆ユーロは同等の価値を持たないかもしれません。ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュは、昨今金価格動向に影響を及ぼすアルゴリズム取引に関して述べた上で、そのような中投資家が考えるべき金投資をする理由について提言しています。

昨年冬、欧州中央銀行は、ユーロ圏の金融機関が保有する自国国債を購入し、低率で資金を貸し出すことで、市場に流動性を供給しました。現在、スペインの10年物国債利回りは、ユーロ設立以来の高水準である7%を超え、同イタリア国債の利回りは、2月に行われた2度目の3年物資金供給オペレーションが行われる前の水準へと戻っています。

歴史的にも、最も低い率である年率1%で貸し出された資金でした。しかし、これは意味を持たないものであることが、思ったよりも短い期間に証明されたのです。

金価格の昨今の上げ下げは、市場では十分に理解できないものです。先週の金価格の急激な上げは、2度共ニューヨーク市場が明けた際に起こりました。しかし、この上げは、通常米国のトレーダーが大きく取引を行う金先物市場にほぼ影響を与えませんでした。そのため、金購入者が、専門市場で大量の現物の買い注文を入れたと考えるべきでしょう。

それが誰であろうと、ギリシャ再選挙、記録的高さのスペイン国債の利回り、米国景気回復の後退時に、金を購入する理由を無意味にしたといえるでしょう。その理由とは、インフレ率急騰のリスクであり、大規模な信用破綻発生時には、このようなリスクはゼロにすることはできないはずです。

金融ビジネスにおいては、その原因と効果を解明することを追求します。しかし、価格動向の些細な動きに対する理由に執着するという傾向は、経済ジャーナリズムを超えています。この典型的な例として、Daniel Kahneman氏の最近の「Thinking: Fast & Slow」コラムで言及したものは、ブルームバーグが、米国債価格が上昇した理由を、サダム・フセインの逮捕としたものの、その後同国債が下落した理由もまた、サダム・フセインの逮捕としたことです。

そして、金市場においては、先週火曜日の30ドルの上げは、地金を取り扱う銀行の一つの営業担当によると、スペインのフィッチによる格下げと説明されています。また、他の市場参加者は、翌日水曜日の上げは、米国小売売上高の結果が悪かったためであると理由付けています。しかし、多くのトレーダーは、電子取引プラットフォーム上のアルゴリズム取引が起こしたものであり、自動取引システムが原因であると考えています。つまりは、マーケットメーカーですらも、現物取引の動きからは予測がつかない状態となっているのです。

このような大規模な金融機関からそのコントロールを少しでも取り上げるのは良いことであろうと思うかもしれません。しかし、このような自動取引システムが、原因不明の価格の動きを作っていることを言い訳とすることが、専門市場においては多くなりつつあります。特に、トレーダーが、このボラティリティーによって損失を出した時などは。

実際、金価格のボラティリティーは、昨年夏の過去三年間で最も高かったものから下げてはいます。そして、もしロンドンのマーケットメーカーが、価格の動きの原因を説明できないと感じる場合は、ジャーナリストや一般投資家は、その原因を見出すことはできないでしょう。そのため、このような原因を追究するのはやめるべきです。最も重要なことは、見出しを飾っているニュースによって、他の人々が金を購入、もしくは売却していることではないのです。重要なことは、彼方が金を購入、もしくは売却することを決定するために、見極める理由であるべきなのです。

金投資においてその理由は、将来起こりうる破綻と通貨引き下げから、資産を保全するためであると考えます。この可能性はなくなってはいません。もし、このようなことが起こった際に、資産を失うことを受け止めるのでしょうか。5年前に金融危機が起こった際、金価格はトロイオンスあたり900ドルでした。金融危機はいまだに終焉したとは言うにはほど遠いものがあります。インフレに強く、破壊することができない金を必要としないことを望むことは、実際に必要としないこととは明らかに違うはずです。

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エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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