いつ金の取引をするべきか 水曜日, 2/01/2023 15:26 2023年に FRB、消費者物価指数、米雇用統計が金価格変動にどう影響するのでしょうか。 今週は、水曜日に米国FRBの2023年最初の政策金利決定が行われるだけでなく、金曜日には世界最大の経済大国の米国の雇用統計が発表されます。 金市場で取引する投資家にとって、この2つのイベントは繰り返し価格の急激な変動を起こし、アクティブなトレーダーに取引機会を与えています。米国のインフレデータも同様で、次回数値発表は2月14日に予定されています。 長期的に見ると、金のアクティブトレーダーは、FRBの決定や重要なデータの発表がだけでは、価格の基本的な方向が変わることはないと知っています。しかし、金はそのようなイベントの前後でより不安定になる傾向があり、しばしばニュースより先に動き、その後、投機的「ホットマネー」が取引に参加または離脱することでその動きが反転または拡大することがあるのです。 金は金利を生み出さないために、米国の金利が上昇すれば金価格は下落し、逆に下落すれば金価格は上昇すると考えるのが自然であるため、米国のFRBの決定が最も重要となります。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)は明らかに事前にその動きを予告しているので、金市場はさらに先を見越し、それに伴うFRBのコメントや予測が変動要因となり、価格を動かすのです。 これは、FRBが「最大限の雇用」と「物価の安定」という2つの目標を果たすためにどのような行動を取るかの市場予想に影響するからです。 これら3つの重要イベントが貴金属取引のボラティリティにどのような影響を与えるかを説明します。 #1. 米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ発表 過去12ヶ月の48時間のタイムフレームを見ると、ドル建てで取引される金は通常高値から安値まで1.5%変動しています。しかし、7つのFRBの発表のすべてで、金は2%以上変動し、48時間の変動率の上位30%に入りました。 FRBの過去12ヶ月の発表に対し、金は平均して2.6%価格を変動させました。これは、昨年3月の3%の変動が筆頭で、この際は今後2年間で利上げが継続されると予想される中で、25ベーシスポイントの引き上げに留まった際でした。 また、11月には、FRBが0.75ポイントの利上げを4回連続で行い、インフレを抑えることに「強くコミットする」と繰り返したため、金は高値から安値まで3.2%変動し、対ドルでは2年半ぶりの安値に下げていました。 #2. 消費者物価指数(CPI) 2022年、インフレ率が4桁の高水準で推移する中、金がドル建てで史上最高値を更新できなかったことに多くの人が戸惑いました。 しかし、FRBが強力な利上げでインフレと戦うというコミットメントを繰り返しているため、数値の上昇は実際には金のセンチメントに不利に働き、短期的には過去12回の月次CPI発表のうち7回は金価格が2.0%以上動いています。 インフレ率が7.9%と予想の7.5%を上回り、金が高値から安値まで4.5%下落した3月と、インフレ率が7.7%と予想(8.0%)を下回り、金が安値から高値まで4%上昇した11月に、こうした動きは顕著となっていました。 #3. 非農業部門雇用者数の伸び (NFP) 毎月第一金曜日に発表される米労働統計局の雇用統計は、金価格だけでなく、ドル・ユーロ為替レート、国債、ニューヨーク上場株式など他の市場にも迅速かつ急激な変動を繰り返しもたらします。 過去12ヶ月のNFP発表前後の48時間の値動きで、金が2.0%以上動いたのは3回しかありませんが、その3回は全て、前月の雇用者数の予測を上回り、FRBが景気に打撃を与えずに利上げを継続することに自信を持つかもしれないという思惑が浮上した時でした。 では、今週と2023年全体の見通しはどうでしょうか。 金利トレーダーは現在、FRBが今週水曜日に25ベーシスポイントだけ利上げすると予想しており、これは昨年2月にゼロ金利から利上げを開始して以来最も少ない利上げ幅となります。今週の発表に伴うFRBの長期予測の更新がないため、金のトレーダーは代わりにパウエル議長の決定後の記者会見に注目し、米中央銀行がいつ利上げを止め、おそらく借入コストの削減を始めるかについての手がかりを探ることになるでしょう。 この「方向転換」への期待から、2023年の新年の金価格はすでにロシアのウクライナ侵攻前後の昨年3月のピーク以来の高値まで上昇しています。この予想が遅れたり、失望したりすると、年明けの米FRBや主要データイベントの変動幅がさらに大きくなる可能性が高くなります。