【金投資家インデックス】金投資、4年ぶりの高水準から後退 - 2025年初の月間価格下落 木曜日, 8/07/2025 16:07 トランプ氏の混乱続く中でも、投資家心理は依然として堅調となっていました。 2024年春以来最速のペースで金投資の投資家心理(センチメント)は7月に低下し、4年ぶりの高水準から後退していました。これは、2025年に入って初めて月間金価格が下落に転じたことによるものです。 しかし、夏の始まりにセンチメントは大きく下がったものの、依然として堅調と言えるものでした。それは、7月には利益確定の動きが見られましたが、新規投資家の参入が続いており、ブリオンボールトでの新規口座開設数は前年同月の2倍となっていました。 金投資家インデックスは、ブリオンボールトの顧客が、その月に売却を上回る金を購入したネット購入者数と、購入を上回る売却をした人のネット売却者数の比率を示す指標です。50.0を上回ると買い手が売り手を上回ったことを示します。 このユニークな実需ベースの指標は、7月に54.2へと低下。これは6月の48カ月ぶり高水準から2.7ポイントの下落で、2024年3月以来の大幅な1カ月下落となりました。結果として、この指数は中長期の平均(54.5)と一致する水準に戻りました。 7月中旬には急騰した金価格(ドル建て)は、月末にかけて10ドル上昇したものの、月間平均ではトロイオンスあたり3338ドルとなり、6月平均から0.3%下落しました。 これは今年に入って最小の月間平均変動であり、また12月以来初の下落となります。 この小幅な価格下落に伴い、金投資家インデックスも同じ方向に動きました。これは4カ月連続の同方向への動きであり、2016年の英国のEU離脱(Brexit)国民投票前と並ぶ連続記録で、2014年半ば以来最長となります。 この指数は現在、16カ月連続で50.0超えを維持しており、その間に金価格は米ドルで10回、ユーロで12回、英ポンドで13回の月間平均最高値を更新しています。 トランプ政権の混乱が金価格の下支えとなる中、個人投資家はコロナ禍から2024年秋の米大統領選までに見せていた価格依存的な投資行動から脱却しつつあります。 2025年の新規口座開設数はすでに過去3年間の年間合計数を上回っています。しかしながら、米国の個人投資家は他の西側諸国に比べて金投資への参入が遅れています。これは政治的立場や、株式や暗号資産への関心の高さが影響していると考えられます。 ブリオンボールトの顧客の9割は西ヨーロッパと北米に在住しており、7月の新規投資家数は6月比で8.5%減、4月の50カ月ぶりの高水準からは35.6%減となりました。しかし、前年同月比では2倍以上(+102.9%)と増加しており、2005年のサービス開始以降、7月としては過去4番目の水準となりました。これを上回ったのは、2020年のコロナ危機、2016年のBrexitショック、2011年の金融危機時のみです。 国別では、ドイツが前年同月比+201.3%、英国が+138.0%に対し、米国は+28.6%にとどまり、主要市場中で最も小さな伸びとなりました。 一方、実際に保管されている重量ベースの金の総増加量(投資家の純売買ベース)では、7月にブリオンボールトの全顧客で0.1%のネット売却となり、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、トロント、チューリッヒの保管所にある顧客保有金総量は44.0トンをわずかに下回りました。 ただし、保有資産価値額ベースでは過去最高となり、46億ドル超(35億ポンド、40億ユーロ、7,020億円)に達しました。 一方、銀への投資需要は重量ベースでプラスに転じ、6月の約9トンの流出のうち1トンを回復しました。これは、産業用途の強い銀価格が4.8%上昇し、2011年9月以来のドル建て月間平均最高値(トロイオンスあたり37.67ドル)を記録したにも関わらずです。 さらに、ポンド建てで27.89ポンド、ユーロ建てで32.25ユーロと、それぞれ過去最高値を更新しました。 この小幅なネット増加により、ブリオンボールト顧客の銀総保有量は1,152トンを超え、時価総額で13億ドル(10億ポンド、11億ユーロ、2,020億円)を突破し、新記録となりました。 その結果、銀投資家インデックスは6月の半年ぶり低水準から1.1ポイント上昇し、51.6となりました。 景気後退への懸念と米国の利下げ期待が貴金属への新たな資金流入を呼び込む一方で、欧州経済の減速などの地域要因も需要を下支えしています。 しかし、過去1週間の価格動向を見ると、世界の金市場を本当に動かしているのはトランプ氏の存在であることが明らかです。 金は不確実性の中でこそ輝きます。トランプ氏の2期目政権は、金融市場だけでなく、米国の貿易・政治パートナーにも混乱をもたらしており、その影響は計り知れません。