【金投資家インデックス】英国の政治と金融市場の混乱が金と銀の投資需要を記録的水準へと高める 2022年11月2日 水曜日 15:56 英国の政治と金融の混乱が金の需要を増加させていました。 ブリオンボールトの顧客が保有する金と銀の総量は、この秋の政治と金融市場の混乱の中で、貴金属現物の保有を選択する英国の投資家の急増によって、史上最高を記録したことが、最新のデータで明らかとなりました。 ドル建て価格では31ヶ月ぶり、ユーロと英ポンド建てでは8ヶ月ぶりの安値となった金価格の下落も動機づけとなり、ブリオンボールトの顧客は、月間の売却量を差し引いたネット購入量で10月に250キロと購入を進めていました。 その結果、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、トロント、チューリッヒの中から顧客が選択して保管されている金地金の総量は、0.5%増加し、48.0トンという史上最高値をつけ、世界の多くの中央銀行の金準備を上回る量となっていました。 月間で購入量が売却量を上回るネットの金購入者数が増加し、価格下落が売却を抑制していたことから、ネット購入者数とネット売却者数が完全に一致していれば50.0となる金投資家インデックスは、先月0.8ポイント前月比上昇し、7月の13ヶ月ぶりの高さから若干低い56.7となっていました。 また、銀の投資家インデックスは、銀価格が夏の2年ぶりの安値からさらに上昇する中で、0.6ポイント増の53.6となっていました。 そして、金と同様に、現在175ヶ国の10万人以上のユーザーのために34億ドル(489億円)相当の貴金属を管理しているブリオンボールトの銀の総保管量は、7ヶ月連続で増加して0.4%増の1267トンとなり、史上最高値を更新していました。 金価格の下落は、金利上昇に直面しているファンドマネージャーや投機家が貴金属投資を抑制するのに十分である一方、個人投資家は、この低い水準の価格を利用して、個人の貴金属保有を開始したり拡大したりしていることが明らかとなりました。新規投資者数は、今秋政治的混乱がポンドと金融市場の安定を脅かし続けている英国で最も盛んとなっていました。 そこで、新規顧客の世界全体の上昇率が18.4%であるのに対し、英国在住の新規の地金購入者数は、10月には12ヶ月間の平均値から56.0%上昇し、ロシアのウクライナ侵攻によって、2年前のコロナ危機の始まり以来最も急増した3月の水準まで3.4%に迫っていました。 先月のブリオンボールトの新規顧客数の国別割合は、英国が48.5%となり、2021年1月以来の高水準となっていました。