【金投資家インデックス】史上最高値に近い水準にもかかわらず金の利益確定売却は減少
ブリオンボールトは、世界175カ国の10万人以上の個人投資家に利用されており、その9割は西欧もしくは北米に居住し、ブリオンボールトが提供している、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、トロント、シンガポールの専門保管場所で、金地金33億ドル(5,310億円)、銀地金11億ドル(1,770億円)、白金族金属9000万ドル(140億円)相当を保管しています。
6月に月間で金地金を売却量を上回る量購入したネット購入者数は、5月の数値から12.0%減少し、3月以来の低水準となっていました。しかし、月間を通じて購入を上回る量の金を売却したネット売却者数もまた14.4%減少し、昨年6月以来最も少なく、過去最高のネット売却者数を記録した3月の3分の1ほどとなっていました。
この結果、金投資家インデックスは53.9となり、5月の11ヶ月ぶりの高水準から0.5ポイントと若干下げたものの、金価格が急騰した3月の最低値の47.5からは6.4ポイント上昇し、2023年6月の56.2以来の四半期最終月の数値としては最高を記録していました。
金投資家インデックスは、2020年3月に世界を襲ったコロナ危機により、65.9と10年来のピークを記録しています。この数値は月間のネット購入者数とネット売却者数が完璧に一致した場合は50.0となります。
6月のドル建て金価格は、5月に記録した月間終値として最高値のトロイオンスあたり2346ドルから0.7%下落したものの、四半期平均価格では、2四半期連続で最高値を更新し、12.9%高の2338ドルとなり、四半期末価格としては最高値2331ドルを記録していました。
英国ポンド建てとユーロ建て金価格は、それぞれ1853ポンドと2171ユーロと3四半期連続で四半期平均の最高記録を更新し、またポンド建てとユーロ建てにおいては月末価格と四半期末価格としても1845ポンドと2178ユーロで最高値を更新していました。また、日本円建て金価格は、gあたり11,719円と7四半期連続で四半期平均の最高記録を更新し、前月末と四半期末においても12,054円と最高値を更新しています。
その結果、ブリオンボールトでは、投資家全体として再び売り越しとなり、10ヶ月連続で保有量を減少させていました。しかし、そのネット減少量は、昨年9月に利益確定の売却で月間の売り越しが始まって以来最も少なく、わずか31キログラムでした。この減少量は、過去9ヶ月の平均売却量の9.1%に相当し、3月の記録的な大量の減少時の3.1%に過ぎないもので、ブリオンボールトの顧客が保有する金地金の総量は45.1トンとなっていました。
6月の顧客の動きとして顕著であったのは、フランスの投資家が6ヶ月連続で月間のネット購入となり、新年からわずか26kgの増加であったものの、2024年の現時点まででは、主要市場で唯一、需要がプラスとなっていることです。これとは対照的に、英国居住の投資家は710kg、米国は406kg、ドイツは161kg、イタリアは28kgをネットで年初来売却していました。
また、2024年第2四半期において、フランスの新規顧客数は2013年末以来初めてドイツを上回り、第1四半期から80.5%急増し、2021年初頭以来の最高値である四半期合計を記録していました。
フランスの極右派と強硬左派、英国の保守党と労働党、米国のトランプ前大統領とバイデン大統領のいずれの選挙においても、財政赤字の拡大に反対する投票を行うこともできないのです。