【金投資家インデックス】インフレーションが数十年来の高さとなる中、金投資センチメントは減少
欧米株価が史上最高値を更新する中、金の輝きが失われていたようです。
インフレ率が数十年来の高さをつけているにもかかわらず、先月投資家の金への興味は低く、貴金属投資へのセンチメントは2019年半ば以降で最も低い水準に下げていました。
しかし、世界最大のオンライン地金市場を提供するブリオンボールトは、重量において金の需要は先月のネットで減少から転換し、今月はネットで増加と急増していました。
生活費の急騰による金への需要の増加にもかかわらず、金価格は横ばいで推移していました。
そこで、ブリオンボールトを利用する個人投資家の取引データを基に算出し、地金投資へのセンチメントを表す指標である金投資家インデックスは、9月の54.7から53.4に下がり、2020年1月のコロナ危機以前の水準をわずかに下回り、2019年7月以来の最低値を記録することとなっていました。
この数値が50.0の場合は、その月に金保有を開始、もしくは金保有量を増加した人の数と、金を減少、もしくは全てを売却した人の数が完璧に一致していることを示します。
金投資家インデックスは、価格が急激に上昇した2019年6月に10年ぶりの低水準となる49.1を記録し、その後コロナ危機が発生した2020年3月に10年ぶりの高水準となる65.9を記録していました。
株式市場の史上最高値更新もまた、エネルギーやその他の商品価格を上昇させるサプライチェーン毀損同様に、金を日陰に追いやっています。
しかし、これらは、金のポートフォリオ・ヘッジとしての価値を損なうものではなく、それどころか、金が最も高い収益を上げるのは、株式が長期的に損失を被ったときであり、今日金を買おうとしている投資家は、市場が閑散とし、他の資産価格がますます上昇している機会を利用しています。
金購入者の数が金売却者の数を継続して上回っていることから、10月の金需要は重量ベースでプラスとなり、123キログラムのネット購入量で前月の売却量を逆転していました。
9月にブリオンボールトの顧客は、世界的なコロナ危機が発生した2020年1月以来、初めてネットで金地金を全体で売却した量が購入量を上回り、87キログラムのネット売却量を記録していました。
しかし、10月に重量ベースで増加したことにより、ニューヨーク、ロンドン、シンガポール、トロント、チューリッヒで保管されている、ブリオンボールトの顧客が所有している金地金の総量は47.7トンを超え、月末の史上最高値を更新し、その評価価値は27億ドル(3090億円)となっていました。
銀価格も金と同様に、10月はユーロ建てと英国ポンド建てではわずかに上昇していましたが、米国ドル建てでは下落し、トロイオンスあたり23.30ドルと、2020年7月以来の月間最低水準を記録していました。
金と同様に、銀の購入者数は全体的に減少し、前月比28.9%減となる中で、売却者数は16.6%増と、銀価格がトロイオンスあたり4ドル以上高かった5月以来の高水準となっていました。
そのために、銀投資家インデックスは4月以降で最も速いペースで低下し、3ポイント低下の51.8となり、金と同様に2020年1月のコロナ危機前の低い水準を下回り、2019年7月以降で最も低い値となっていました。
しかし、金と同様に銀のネット需要は堅調に増加し、9.9トンに達し、ブリオンボールトの顧客が保有している銀地金の総量は1,244トンを超え、評価額9億6,100万ドル(1,090億円)となり、史上最高記録を更新していました。