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【金投資家インデックス】イラン戦争後の低迷から金投資心理が安定化

 

金投資家心理は上昇する一方、銀投資家心理は平均を下回る水準へ低下。

世界有数のオンライン貴金属取引プラットフォームであるブリオンボールトのエイドリアン・アッシュによると、5月の金投資家心理は上昇し、この春のイラン戦争による急落から持ち直しました。これは、個人投資家が価格下落局面で金を購入したことが背景となっています。

2009年以降のブリオンボールト顧客の取引動向を追跡する金投資家インデックスは、貴金属市場における投資家の実際の行動を示す独自の指標です。指数が50.0を上回る場合、購入者数が売却者数を上回ったことを意味します。

5月の同指数は55.6となり、4月に記録した5か月ぶりの低水準から0.5ポイント上昇しました。

4月の5.6ポイントの下落は、ブリオンボールトの投資家心理指数として過去14年間で最大の下落幅でした。しかし5月の反発により、金投資家インデックスは過去5年間の平均を1.4ポイント上回り、直近60か月のうち48か月を上回る水準となりました。

つまり、金投資家心理は年初の過熱感から大きく低下したものの、依然として長期平均を大きく上回る水準を維持しています。

金投資家インデックスと月間平均金価格 出典元 ブリオンボールト

5月の金現物価格の月間平均は昨年12月以来の低水準となりましたが、ブリオンボールトの顧客全体では売却量を上回る金購入が3か月連続で続きました。これは2023年8月以来で最長の純購入期間となります。

その結果、顧客の金保有量は前月比0.2%増の43.6トンとなり、過去6か月で最大の保有量を記録しました。これらの金はロンドン、ニューヨーク、シンガポール、トロント、そして最も人気の高いチューリッヒの保管施設に保有されており、その総額は63億ドル(47億ポンド、54億ユーロ、1.0兆円)に達しています。

一方で、新規の貴金属投資家数は5月も減少し、4か月連続の減少となりました。

5月の新規ユーザー数は、過去12か月平均を54.9%下回り、昨年8月以来の低水準となりました。月次ベースでは過去10か月で最も少ない水準でしたが、それでも過去60か月の中央値を81.0%上回っています。

銀投資家インデックスと月間平均銀価格 出典元 ブリオンボールト

4月の銀投資家心理の低下は、2020年4月以来で最大の下落幅となりました。当時は、新型コロナウイルス危機による銀価格急落を受けて投資需要が急増し、3月に20.4ポイント上昇した後、その反動で8.1ポイント低下していました。

2026年春の状況では、銀価格は1月の史上最高値から金価格以上に大きく下落しています。しかし、テクノロジー分野からの旺盛な需要と世界的な供給不足が市場を支えており、5月には3か月連続の下落後に上昇へ転じました。

こうした状況の中、金投資家心理とは対照的に、銀投資家インデックスは4か月連続で低下しました。5月は4月の8.0ポイントの急落に続き、さらに0.1ポイント低下して52.0となり、2025年8月以来の低水準を記録しました。

この水準は過去5年間の平均を0.8ポイント下回り、直近60か月のうち27か月しか上回っていません。金投資家心理との対照的な状況が続いています。

しかし重量ベースでは、ブリオンボールトの顧客は再び銀の純購入者へ転じました。4月の6トンの流出量の4分の1超を取り戻し、個人投資家が保有する銀地金の総保有量は0.2%増の1,129トンとなりました。その評価額は27億ドル(20億ポンド、23億ユーロ、4,300億円)です。

今後を見通すと、金・銀価格は引き続き原油価格と連動しながら上下する展開が続いています。イラン戦争によるエネルギー価格上昇が金利見通しを押し上げているためです。また、各国中央銀行が記録的な金購入から断続的な売却へ転じたとの報道も、年初の過度な強気相場を支えていた要因の一つを揺るがしています。

しかし、各国中央銀行の準備資産としての金の長期的な価値が変わらないのと同様に、再生可能エネルギー、防衛産業、そしてAI・データセンター関連産業における銀需要も依然として堅調です。

そのため、個人投資家は現在の価格調整局面を利用して、金・銀の保有量を増やし続けています。

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチダイレクターとして、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。



弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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