2012年第1四半期の金需要動向
初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」で、先日ワールドゴールドカウンシルが発表した最新レポートの2012年第1四半期の金需要データを分析、解説しています。

新興国の経済成長の減速が話題になっています。今回のお話は、まさに減速中だった2012年第1四半期の金需要動向についてのお話です。
まず、金需要全体を見てみましょう。
2012年の第1四半期の需要全体を重量ベースで見るとトータル1097.6トン、前年同期が1150.7トンでしたから、5%減少となりました。2011年に価格水準が1386.3ドルから1690.6ドルへ、22%上昇した環境下での5%減少ゆえ、総じて需要は堅調に推移していると見て良さそう。事実、金額ベースでは前年同期比で16%増加しています。

つぎに部門別に見てみましょう。
第1四半期の宝飾需要は519.8トン、前年同期が554.7トンでしたから6%の減少となりました。ただ、四半期毎の推移では、2011年第2四半期からの落ち込みを挽回しつつあるようにも見えます。需要減少のなかで、目立って増加している国もあります。なかでも経済減速が伝えられるなか、中国の宝飾需要は堅調で、世界全体の35%を占めるに至っています。

なお、金需要大国インドの需要減退が目立ちます。これは、金宝飾品に対する新税が課せられたこと、金に対する輸入税が2度にわたって引上げられたこと、そしてルピー安によりインド国内の金価格が上昇したこと、などの特殊要因も背景にあります。また、インフレ対策の金融引締めが効き過ぎて、経済成長速度が減速していることも背景にありそうです。ただし、その後、金宝飾品に対する新税も廃止され、金融政策も緩和へ舵を切りつつありことから、金需要は回復傾向にあるとのことです。
つぎにエレクトロニクス部門を見てみましょう。金価格水準の底上げ、欧州発の金融不安を受けて、前年同期80.4トンから75.4トンへ6%減少しています。この部門の改善には、少し時間がかかりそうです。
現物の投資需要は、金価格水準の上昇が響いて前年同期405.6トンから337.9トンへ、17%の減少。金額ベースでは2%増加、現物需要の根強さを感じます。目立って増加している国は以下の通りです。
インド減少の背景は、宝飾品のケースと同様です。
つぎに金ETFですが、前年同期マイナス62.1トンから大きく反転して51.4トンの買越しに。単純に差引きすると113.5トン増加した勘定になります。その結果、現物を含む投資需要全体としては堅調で、343.5トンから389.3トンへ、前年同期13%の増加です。
最後に公的部門、中央銀行の動向を見てみましょう。前年同期137.0トンから80.8トンへ41%の減少。とはいえ、90年代から長く続いた中央銀行の姿勢は、金売却から金購入へすっかり様変わりしました。2012年第1四半期に購入した国は次の通り。
本日はここまで。
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