銀価格ディリーレポート(2021年4月26日)銀ETFと太陽光発電需要で2021年に銀価格の更なる上昇が予想される 2021年4月26日 月曜日 19:11 銀価格は月曜日昼過ぎに堅調に推移していました。 これは、今週の米連邦準備制度理事会(FRB)の会合を控えてドルが強含み、アナリストが銀価格が2021年に更に年まで続くと予想する中でのことでした。 銀の現物価格は、3週間連続で上昇して先週水曜日に26.64ドルと7週間ぶりの高値を記録した後、今日は26.20ドルまで上昇していましたが、10セント下げていました。 金は1770ドルまで下落した後反発し、6ドルの下げ幅を取り戻しましたが、先週水曜日の8週間ぶりの高値である1800ドルから20ドル下回っていました。 Saxo BankのコモディティストラテジストであるOle Hansen氏は、「ドル安と国債利回りの低下に伴い、 短期的な買いが市場に戻ってきている。」と述べていました。 「しかし、すぐに高値を更新できなければ、再び利益確定の動きが出てくる可能性がある。」と続けていました。 今週水曜日に行われる米連邦準備制度理事会(FRB)の政策決定会合後の発表と金曜日の最新の米国インフレデータが発表される前に、ドルは2ヶ月ぶりの安値から多少ながら強含み、米国債利回りも上昇していました。 貴金属専門アナリストのMetals Focusがシルバーインスティテュートのために作成した新しい World Silver Surveyによると、「銀は、貴金属と工業用金属の両方の性質を持つことから、"両方の需要の高まり"の恩恵を受けている」とのことです。 工業用需要が伸びる一方で、投資用需要は堅調に推移すると予想されることから、Metals Focus社は、2021年の銀の年間平均価格は、昨年の水準から33%上昇し、トロイオンスあたり27.30ドルに達すると見ています。 2020年の銀価格は27%上昇し、年間平均でトロイオンスあたり20.55ドルとなっていました。 工業用銀の需要は、新型コロナウィルスのパンデミックの影響により、昨年5%減と過去半世紀で最も低い水準に落ち込んだ後、今年8%回復すると予測されています。 Metals Focus社は、「この増加の多くは、経済の再活性化とグリーン・エネルギー・ソリューションへの投資によるものです。」と解説しています。 銀の 光に対する感度は、現在のグリーン電力の主要な供給源である太陽光発電産業で急速に利用されているため、太陽光エネルギーの導入も需要の増加に大きく貢献すると考えられています。 Metals Focusのデータでは、昨年の銀現物投資需要は昨年8%急増して2016年以来の高水準となり、銀を裏付けとするETPへの記録的な資金流入はすでに2021年に継続していることが明らかとなっています。 銀ETPの最大銘柄であるiShareシルバートラスト(NYSEArca: SLV)は、2020年に54%成長し、8月に史上最高値を記録した後、今年1月下旬から2月初旬のレディットユーザーの「シルバースクィーズ」の投稿による銀需要の高まりで再びピークに達し、価格は2013年以来の水準であるトロイオンスあたり30ドルを超えていました。 その後、SLVはその新記録後11週連続で週間の資金流出で残高を16%失いましたが、先週の金曜日には17,724トンと未だ昨年末から2%の増加となっています。 最新のデータによると、コメックスの銀先物・オプションの資金運用業者は4月20日までの週に、ロングポジションを更に増加させて、ショートポジションも多少増加させていました。 これにより、ネットロングポジションは8週間ぶりの高水準となり、3週連続で増加していました。 また、米国商品先物取引委員会(CFTC)が発表したデータによると、資金運用業者はコメックスの金先物・オプションのネットロングポジションを増加させて、先週水曜日の8週間ぶりの価格ピークである1797ドルを前に、ロングポジションがショートポジションを14%上回っていました。 本日の原油価格は、世界第3位の石油輸入国であるインドでCovid-19の感染者数が5日連続で過去最高を記録し、先週のこの時期から約150万人の感染が確認されたことから、1.5%下落していました。 また、世界第4位の石油購入国である日本では、新型コロナウィルスの感染者数が増加していることからも、日曜日に東京、大阪、その他2つの県で第3次緊急事態が発動され、全人口の約4分の1が移動制限等の影響を受けることとなっています。