金価格ディリーレポート(2026年10月19日)AI関連株の急落後、ハイテク株が反発する中で金価格は下落
月曜日の金価格は、アジアの半導体株と米国のAI関連ハイテク株が先週の急落から反発する一方、米国債需要が和らぎ、国債利回りが夜間の低下から上昇に転じたことで、序盤の上げ幅を失いました。
米10年国債利回りは当初、5.06%を下回り、米政府の借り入れコストが約四半世紀ぶりの高水準から大きく低下した先週の流れを引き継ぎました。しかし、その後は今朝の低下分を打ち消し、5.10%まで上昇しました。
ロンドンの金現物価格は、トロイオンスあたり4150ドルへと下落し、金曜日の終値を1.0%下回りました。金価格は金曜日に、30年以上で最長となった週次ベースの連続下落に歯止めをかけていました。
一方、アジア株式市場は先週のハイテク株急落から落ち着きを取り戻し、米国のAI関連株の先物も上昇を示していました。しかし、欧州株式市場は大きく下落しました。週末にパリ、マルセイユなどフランスの計16都市・町で行われた生活費高騰と緊縮財政に反対する抗議活動が「歯止めの利かない」暴力や略奪に発展したことを受け、パリのCAC40指数が1.4%下落し、欧州株の下げを主導しました。

米国上場の主要半導体メーカーの株価を追うPHLX半導体株指数(NasdaqIndex: SOX)は、金曜日までの8営業日連続の下落で15.7%下げました。一方、同期間に金価格は0.8%上昇しました。
木曜日と金曜日の2日間だけでは、半導体株が4.7%下落する一方、ドル建て金価格は2.4%上昇しました。
ただし、過去の半導体株急落に対する金価格の反応は一様ではありません。7月末までの26営業日に半導体株が28.6%下落した際、金価格も4.7%下落しましたが、その後、AI投資バブルへの懸念が再燃した局面では5.9%上昇しました。
先週、AI関連企業の借り入れコストが急上昇し、株価が急落したことを受け、フィナンシャル・タイムズ紙は、借金に支えられた米国のAIインフラ投資ブームに亀裂が生じつつあると指摘しています。
国際エネルギー機関(IEA)のエネルギーとAI分野に関する報告書によると、大手テクノロジー企業の設備投資額は2025年に4000億ドルを超え、2026年にはさらに75%増加すると予測されていました。また、AI専用に設計されたデータセンターの処理能力は、18か月間で3倍以上に拡大しました。
大手「ネオクラウド」事業者コアウィーブ(Nasdaq: CRWV)の共同創業者兼最高経営責任者(CEO)、マイク・イントレーター氏は、社内メモで「市場は当社の事業を理解していない」と述べています。同社株は2025年3月の上場から3か月後に、現在の株価を約150%上回る水準でピークを付けましたが、同氏はそれ以降、総額10億ドル相当の同社株を売却しています。
コアウィーブ株は過去6か月で半値となっていましたが、月曜日のニューヨーク市場の寄り付きでは4.0%超上昇しました。
一方、ブレント原油は月曜日の欧州取引序盤に2.3%下落しました。トランプ米大統領が金曜日遅く、既存の制裁は維持しつつ、新たなロシア関連の制裁と関税について、発効前に適用を見送ると決めたことが背景でした。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、この決定を批判し、ロシアがウクライナへの攻撃を続けることを助長すると警告しました。
ニューヨーク市場では、ハイテク株で構成されるナスダック100指数が月曜日の寄り付きで1.4%上昇しました。また、半導体大手サムスン電子とSKハイニックスの構成比率が高い韓国総合株価指数(KOSPI)は、先週11%超下落した後、1.8%反発しました。
米ドルは、中国人民元に対して付けた4年ぶりの安値から反発しました。また、週末のフランスでの暴力的な抗議活動と時を同じくして、ポルトガル、スペイン、ベルギー、イタリア、ギリシャ、アルバニアでも抗議活動が行われる中、ユーロに対しても先週の17か月ぶりの高値に再び近づきました。
欧州各国の国債利回りも反発し、フランスの10年国債(OAT)利回りが年率4.89%へ上昇して、その動きを主導しました。
ユーロ建て金価格はトロイオンスあたり3719ユーロ前後で横ばいとなり、ポンド建て金価格は0.3%下落して3127ポンドとなりました。
一方、年間需要の約60%を電気・電子機器などの産業用途が占める銀の価格は、ロンドンの昼の時点で0.2%下落し、トロイオンスあたり57.59ドルとなりました。




