金市場ニュース

金の比較的価値

貴金属ディーリングにおいて世界でも第一人者のスタンダードバンク東京支店長池水雄一氏が、「池水雄一のゴールドディーリングのすべて2」で、先日のコラム「金の価値って何だろう」に続き、金の価値について解説をしています。

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金の価値を知る上でもっとも手っ取り早いのはその価格であることは明白です。金の世界中での取引の中心にあるのが、ドル建ての金価格です。ドル建ての金価格とは、ドルと金を交換する(つまり日本語で言う「為替」、英語でいうExchange Rate)ときの価値です。金の場合は、金をロンドンで受け渡しする条件での1トロイオンス(31.103524グラム)あたりの金とドルの交換レート、 つまりドル建ての価格です。円建てグラムあたりの金価格はドル建て価格にドル円の為替をかけて31.1035で序した数になります。つまりいまドル建てゴールドが1642ドル、ドル円が81.25だとすれば1642 x 81.25/31.1035=4290円/gramということになります。

まずほかの貴金属と比べてみましょう。以下の表が2012年4月現在の価格です。

2012/4 ドル円 81.15
貴金属 グラム円建て オンスドル建て
金 4,272.27 $1,637.50
銀 80.44 $30.83
プラチナ 4,071.37 $1,560.50
パラジウム 1,757.17 $673.50
ロジウム 3,783.08 $1,450.00
イリジウム 2,869.92 $1,100.00
ルテニウム 339.17 $130.00
オスミウム 1,043.61 $400.00

貴金属と呼ばれるのは金、銀、そしてプラチナ、パラジウムなどのPGM(Platinum Group Metals:白金系メタル)です。いろんな金属がありますが、その中でも昔から圧倒的に価値が高いものを貴金属と呼んでいます。ちなみにPGMとは、プラチナ、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウムの6種類のプラチナの仲間たちのことです。プラチナとパラジウムは比較的流動性のある取引市場が存在しますが、ほかの4つのメタルの市場性はほとんどありません。ニューヨークと東京の先物取引所で上場されているのは金、銀、プラチナそしてパラジウムの4品で、一般に貴金属と言った場合はこの4メタルをさすことが多いです。そしてこの貴金属の代表が金と言えます。

2012年4月現在、すべての貴金属の中でももっとも価格があると思われている貴金属、すなわちもっとも価格が高いのが金です。わずか1グラムの金が 4300円もするということです。10グラムで4万3000円、100グラムで43万円、1kgは430万円もの価値があるということになります。(単純に金の価値として。小さなバーになればなるほど加工賃がかかって、実際に買う場合はグラムあたりの単価は高くなります)そもそもグラム単位で価値を計るよ うなものはそうざらにありません。我々が高いなと考える高級和牛でも100グラムで2000円くらいでしょうか。金の価値は44万円なので比べるべくもありません。ほかの貴金属以外に重さ当たりの価値として金に比肩できるものはないと言えるでしょう。たとえば非鉄金属の代表とも言えるつまり、もっともコンパクトな形でもっとも価値が保存できるのものが金なのです。この事実がまた金の価値を上げるということになっているのですね。

もちろんその価値(=価格)は日々刻々と変わっています。過去を振り返るとその価値がもっとも上がったのは2012年3月30日の4660円で、一番価値が下がったのは1999年9月30日の840円です。高値と安値の差はなんと5.5倍もあり、金の価値も決して絶対的なものではなく、その時の市場によって相対的に判断されているものです。近年は金の評価が上がりその価値も歴史的にみて非常に高く判断されていると言ってよいでしょう。世界の金融市場を巡る不安要素が、金の相対的価値を上げているのです。その裏側では通貨の価値が下がっているということですね。そして現在、世界中で最も普遍的で価値があ るものは「金」であると言っても間違いではありません。

以上

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池水雄一氏は、貴金属ディーリングの世界でも第一人者。上智大学を卒業後、住友商事、クレディ・スイス、三井物産、スタンダードバンクと貴金属ディーリングに一貫して従事し、現在はスタンダードバンク東京支店長。Oval Next Corp.サイトで市場分析ブルース(池水氏のディーラー名)レポートも掲載。

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