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米国ドル建て金と主要資産の年間収益率の比較(1973年~2013年)

主要資産の年間収益率は、過去40年間で大きく変動しています。

それでは、どのような幅で変動をしてきているのでしょうか。そして、株式、債券、不動産、預金と比較して、21世紀に収益率が最も高かったものの、2013年に収益率が最低となった金の過去40年間の年間収益率はどのようなものだったのでしょうか。

ブリオンボールとのリサーチ部門は、米国における主要資産の1973年以来の年間収益率データをまとめました。1973年は、ドルを世界の基軸通貨として金1オンスを35ドルと定め、そのドルに対し各国通貨の交換比率を定めた、固定相場制のブレトンウッズ協定が終結した年です。投資収益率は、この協定終結後、主要資産はインフレ急騰の影響を受け、インフレは金利資産を上回り、その後1980年と1990年代に金利が下げる中、株式と債券が長い期間高い収益率を保ったのでした。

2000年以降、2度の株式市場の暴落と世界的な不動産市場の低迷が起こりました。この間、年間資産収益率のデータが示すように、金の収益率は、米国の主要資産比較表で2度トップの座についています。そしてS&P500種株価指数を10回上回っています。

2013年の金の年間収益率は、この主要資産の中では最悪のものでした。しかし、過去40年の収益率で学べることは、金は投資家が最も必要とする際のポートフォリオの保険であったということです。そして、ポートフォーリオの多様性は考慮されるべきものです。

米国ドル建てアセットクラスの1973年以来の年間収益率

すべてのデータは、特に明記していない限り、費用、税引き前の総収益をもとに算出されています。

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アセットクラス












Inflation

米国消費者物価指数(年末数値)

Cash

預金金利(3ヶ月米財務省証券レート:日間平均)

Bonds

国債利回り(米10年物国債利回り+資本価値)

US

Stocks

米株式(S&P500種指数+資本+配当)

Non-US stocks

米国外株式(欧州、アフリカ、極東)+資本+配当

Corp

Bonds

社債(バンカメ・メリルリンチUS Corp Master Total Return Index) 

Real

 estate

米国商業用不動産 (FTSE NAREIT All REITs total returns)

Cmdties

コモディティ(ロイターCRB継続商品指数:CCI)

US Housing

米住宅(S&P/ケースシラー住宅価格数値)

Gold

金(米国ドル建てロンドン金フィクシングの年末価格)

米国データにおける金の年間収益率比較に関する特記事項


  •  金は収益率において最も順位が上下したものの、過去41年間で7回最高の収益率を上げ、11回最下位となっている。これは、他のアセットクラスと比較すると必ずしも良いものではない。

  • 金は、過去10年間で、上位3位以内に7年間(2005年-2011年)続けて入っている。この結果に近いものとしては、米国不動産投資信託のみが過去6年間(1979-84)上位3位までに入っているのみである。

  • 2013年は金が過去12年間で初めて順位を下げたことと共に、2001年以来初めてインフレ率を下回ることとなった。これは、少なくとも全ての8つのアセットクラスにおいては、過去50年間に1度は経験したことがあるものである。

  • 金は、1994年-2001年に8年間続けてインフレ率を下回った。しかし、この8年間に預金金利はインフレ率を上回った。そのため、このような場合、インフレヘッジの特性を持つ金への投資の緊急性は失われることになる。

  • 金は、株価が下落している際に良い収益率を上げ、2013年のように株式市場が好調な場合は下げる傾向がある。金が収益率において上位3位までに入っていた10年間は、米国株式は下位3位までに3回入っている。

  • 金は、株価が下落している際に良い収益率を上げ、2013年のように株式市場が好調な場合は下げる傾向がある。金が収益率において上位3位までに入っていた10年間は、米国株式は下位3位までに3回入っている。そして、米国株式が上位3位までに入った17回の内、金は下位3位までに13回入っている。

この表は、情報提供を目的したものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。この情報の正確性、完全性については保証されるものではありません。

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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