金市場ニュース

中国の銀の輸入

貴金属ディーリングにおいて世界でも第一人者のスタンダードバンク東京支店長池水雄一氏が、「池水雄一のゴールドディーリングのすべて2」で、中国の銀の輸入状況から銀の相場を解説しています。

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今週は銀相場を「中国の銀輸入」から考えているStandard Bankのアナリストの意見をまとめます。

先日4月の中国の銀輸出入の数字が発表されました。4月は銀輸入で139トンであり、前月3月の179トン、2月の171トンと比べても減少しました。 輸入が減少するということは、銀相場には弱気材料のように思えますが、中国の銀輸入が減ることは正しい方向への動きだと思います。輸入量が増えるというこ とは、中国国内での加工需要が振るわない現状ではただ単に国内在庫がさらに増えるだけであると考えられます。先週のPMI指数もやはり加工用需要の不振を伝えるものでした。

中国の銀輸出量

中国国内の銀在庫がゆっくりと増えるのは弱気というよりは、需要が回復基調にあるということからどちらかと言えば強気要因だと考えます。しかしながら輸入が正しい方向に向かったとはいえ、在庫のレベルはまだ高く、価格が上昇することがあっても、産業用需要が本格的に回復しなければ上値は限られるでしょ う。

中国の銀加工用需要(写真、宝飾、銀食器)は2012年は7.5%の伸びが予想されています(4940トン)。また中国の鉱山生産も7%の増加が予想され、供給不足は1443トン(1月あたり120トン)となります。この不足分は輸入してくるか、すでにある在庫から使うということになります。2009年以来中国は約15ヶ月の加工需要分の在庫を積み上げてきたと考えられます(2009年年初はほんの4ヶ月分でした)。2009年の在庫は少なかったので、 中国は大量の銀を輸入する必要がありました。2009年、中国は1ヶ月平均280トンもの銀を輸入しました。これが相場を支えたのは言うまでもありませ ん。しかし在庫が増えていくのに連れて輸入量は減っていき、2010年の総輸入量は186トンに急減。

在庫が多い現状では、国内在庫を減らすために輸入量は少なくする必要があります。もしそうやって在庫が減少すれば、今年後半には価格の上昇の要因になるでしょう。季節的には4月から7月までは中国の銀輸入は比較的少なく、8月に増加するということがよくあるようです。この少なめな中国の銀輸入量は、あと数ヶ月は相場の頭を押さえるかもしれませんが、その後第四四半期に向けては逆に価格の下支え要因となります。

銀価格の推移

そのため現在は銀の相場の頭は抑えられています。相場が高水準にある2月以降、銀相場はパッとせず、少しの上昇でもあれば売りのチャンスと見られてきました。銀相場の下値めどは29ドル近辺と考えてきましたが、現在それを割り込んでいます。しかしほぼ価格下落の動きは出尽くしたと考えます。今後は中国銀在庫の減少とともに上昇の可能性が大きいのではないでしょうか。

以上

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池水雄一氏は、貴金属ディーリングの世界でも第一人者。上智大学を卒業後、住友商事、クレディ・スイス、三井物産、スタンダードバンクと貴金属ディーリングに一貫して従事し、現在はスタンダードバンク東京支店長。Oval Next Corp.サイトで市場分析ブルース(池水氏のディーラー名)レポートも掲載。

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