ニュースレター(2013年3月22日)1607.50ドル キプロス問題が金価格を押し上げる
週間市場ウォッチ
今週金曜日のPM Fix価格は、トロイオンスあたり1607.50ドルと前週同価格から0.7%の上げとなっています。
今週の金価格は、キプロス問題で大きく動くこととなりました。キプロスは、EUによる支援条件を満たすまでということで国内銀行を25日まで休業としています。この支援条件に合意がなされない場合、資本規制、ユーロ離脱といった可能性も出てくることとなり、キプロス問題は週末に大きな展開を見せることが予想されます。
それでは、今週の市場の動きを追ってみましょう。
週明け月曜日は、週末に発表されたキプロス支援策が銀行預金者にも負担を求める異例の内容となったことで投資家の不安心理が高まり、ユーロが下げ、金価格を押し上げることとなりました。
翌火曜日は、EUによる支援条件の銀行預金課税法案のキプロス議会による議決を待つ中、その先行き不透明感から株式市場が下げ、金価格はさらに上昇することとなりました。その後、英国時間午後にこの法案が否決され、市場の懸念はさらに広がることとなりました。
水曜日、市場が米国FOMCの発表を待つ中、ECBキプロス支援に関して現状資金供給を続けることが伝えられ、市場が落ち着きを取り戻す中、金価格は緩やかに下げることとなりました。
その後、ロンドン時間夕方に発表されたFOMCの金融政策も、予想通り政策金利は0-0.25%、資産買い入れプログラムも毎月850億ドルと現状維持が確認されたことから、市場に大きな動きをもたらすことはありませんでした。
木曜日は、キプロス支援に関して、前日欧州中央銀行(ECB)によるキプロス向け緊急流動性支援(ELA)が継続されると伝えられたものの、キプロスがユーロ圏との間で支援策をまとめない限り、緊急流動性支援(ELA)を25日で打ち切る方針をECBが表明したことで、再び懸念が高まり株式市場は下げ、金価格は押し上げられることとなりました。
金曜日は、キプロスがロシアの支援を得なれなかったことが伝えられましたが、キプロス議会与党幹部が、欧州連合が定めた枠組みにおいて支援に関する解決策を取りまとめる可能性があるとの認識を示したことが伝えられたことなどから、懸念が後退し、ロンドン時間午後に金価格は緩やかに下げています。
市場のニュース
- 週始めに、金ETFの主要銘柄SPDRゴールドシェアが、2011年夏のピーク時から32度残高を減らし、過去20ヶ月でもっとも低いレベルの1220トンとなったこと。
- スイス国民党が、スイス中央銀行が金準備を売却することを防ぐことを目的とした国民投票を行うために必要な10万人の署名を集めたことが伝えられたこと。この政党は、スイス中銀が保有する金の売却を防ぎ、その量も外貨準備の20%へと倍増させ、国外で保管されている金を自国へ移送することを望んでいるとのこと。
ブリオンボールトニュース
今週木曜日から、ブリオンボールトでは、スイス、英国、米国に加え、シンガポールでも金地金を保管いただけることとなりました。まずは、ブリオンボールトホームページでシンガポール保管場所の価格をご覧ください。
先週ブリオンボールト設立者で代表取締役のポール・タスティンが、米国出張時にウォールストリートジャーナルで金市場の現状、最善の金投資方法でインタビューを受けました。そのビデオはこちらでご覧いただけます。
米国主要経済サイトのHard Assets Investorのブリオンボールトの設立者で代表取締役のポール・タスティンへの経済及び金市場の先行きに関するインタビューはこちらでご覧いただけます。
Hard Assets Investor [他の通貨では高水準を続ける金価格」
今週市場分析ページには、下記の記事が掲載されました。
- ブリオンボールト日本市場責任者ホワイトハウス佐藤敦子の「ロンドン金値決め価格(ロンドン・フィキシング)とは」
- スタンダードバンク東京支店長池水雄一氏の「金現物、買うなら今でしょ!」
- はじめての金読本「世界金需要2012年の動向(2)~インドと中国~」
また、今週の主要経済指標の結果と解説は、下記のリンクでご覧いただけます。
- 主要経済指標(3月18日~3月22日)
ロンドン便り
今週の英国からのニュースは、オズボーン財務相が、20日に2013年度の予算案を発表したことが大きく伝えられていたことです。英国の公的債務は GDP比104.2%と 日本の214.1%よりは、はるかに低いものですが、英国国債の保有者が日本とは異なり、海外保有率が高いために、その危機感は高いものがあります。そこ で、この予算も公的債務の規模を減らすことが主要な目的となっています。
そして、同日予算案発表前に、「経済の問題に取り組み、勤勉に働く人々のための予算を今日発表します。」とツィッターデビューを飾ったオズボーン財務相ですが、これに対し多くの不平不満のツィートが返ってきたことも、メディアで伝えられていました。
痛みを伴う緊縮財政に苦しんでいる一般の人々が、昨年パラリンピックのメダル授与を行ったオズボーン財務相へ不平不満を伝えるべくブーイング をしたことは記憶に新しいですが、ソーシャルメディアを使って、人々の支持を受ける今回の試みは、残念ながら成功しなかったようです。
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