金市場ニュース

ふたつのユーロ

初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」で、ユーロ圏内の民族、宗教、文化の違いを越えて存在するユーロという地域通貨の存続の可能性と、それに対する金の位置付けを解説しています。

大方の予想通り、ユーロ圏、容易にはまとまりません。今朝、BS海外ニュースを見るともなく見ていたら、ラテン・グループとアングロサクソン・グループ、ふたつを対比して、溝はとても深いと伝えていました。

金読本流にいうならば、民族間の溝ばかりではなく、欧州にはカトリックとプロテスタントが混在しており、そもそも一枚岩にはなりにくい背景があります。

教会の大きな屋根の下で神の慈愛に包まれるカトリック、聖書を片手に航海に出て神の声を直接聞くプロテスタント、生き方がまるきり違う訳ですから、同じにはなれません。

第二次大戦後、経済軍事大国化する米国に対抗して欧州経済連携を深め通貨も統一して来たわけですが、リーマン・ショックをきっかけに歯車が狂い始め、理想と現実の違いが次々とあらわになりつつあります。

いちど狂った歯車はなかなか元には戻りません。英国ユーロに与しなかったのは思えば当然のことで、なにしろ、清教徒を生んだ国なのですから。カトリックと同一にはなり切れない歴史があるんです。

ではドイツはどうなのかといえば、ふたつの宗派が半々。歴史的に孤立した経験、分裂した経験を持つがゆえ、またナチという忌まわしい過去を持つがゆえに、孤立を避けてユーロに参画したのかも知れません。ちなみに「私の目の黒いうちは」共同債など受け入れない、そう発言したメルケル首相は、さて、どちらでしょう。

こうした民族、宗教、文化の大きな違いを考えると、ユーロはいま正に正念場ということができそうです。ただ、将来も地域通貨というものが存続するとすれば、ユーロはふたつに分断する可能性も見え隠れします。

かくして欧州ユーロが混沌としているなかで、対抗勢力として存在する米国ドルが浮上し、ドルと逆相関にある金も売られる面があるわけです。ただ、それがいつまでも続くと考えるのは早計で、ドルも米国債バブル化しているとも言えそうですし、そもそも、民族、宗教、言語、歴史を超えて、誰もが受け入れられる通貨は金だけなのですから。

金が「無国籍通貨」と言われるゆえんです。

通貨の問題には複雑な文化的背景が絡んでいます。そこには長い歴史が横たわっているわけで、だからこそ、金との付き合いは長期のスタンスこそ望ましい。慌てず、騒がず、ゆっくり、じっくり行きましょう。

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経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている金のブログ「はじめての金読本」より。

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