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【金投資家インデックス】2022年の株価低迷の中金投資は堅固に推移

戦争、インフレ、金利上昇、ドル高が金を押し下げることはありませんでした...。
 
2022年の金融市場低迷の中、金投資は6月末の段階では回復力があることを証明していました。
 
確かに、6月にはほぼ1年ぶりの高値から後退しましたが、金地金価格は下落する一方で、上半期の株式、債券、ベースメタル、暗号資産の低迷とは対照的に、上半期のパフォーマンスを見ると堅調に推移していたと言えるでしょう。
 
世界の株式市場は、MSCIワールドインデックスが上半期に21.2%下落し、ビットコインは、インフレの高騰、金利の上昇、20年ぶりのドル高、ロシアのウクライナへの侵攻継続の中で26.2%下落していました。
 
金は先月、過去最高の上半期終値を記録し、6月は米国通貨建てでトロイオンスあたり1817ドルと前年末から横ばい、ユーロ建てで1744ユーロ、英国ポンド建てで1493ポンドと、それぞれ8.6%と10.9%上回っていました。
 
金投資家インデックスとドル建て、ユーロ建て、ポンド建て月間平均金価格の推移 出典元 ブリオンボールト
 
金投資家インデックスは、オンラインで世界有数の貴金属プラットフォームを提供するブリオンボールトの顧客の取引データを元に算出しているもので、現在世界の10万人以上の個人投資家の評価額約36億ドル(4970億円)の金、銀、プラチナ、パラジウムを保管しています。
 
このデータは、月間に売却量を上回る購入をしたネット購入者数と、購入を上回る売却をしたネット売却者数のバランスを表すものです。
 
先月は、金価格が米ドル建てで下げたために、9割の顧客が欧米在住であるブリオンボールトにおいては、ネット金購入者数は5月と比較して17.0%減少し、売却者数は8.6%増加していました。
 
その結果、ネット購入者数とネット売却者数が一致した場合に50.0となるように設定されている金投資家インデックスは、5月に記録した11ヶ月ぶりの高値の56.2から54.5へと減少していました。
 
ドル建ての金価格と同様に、この数値も12月末の数値から0.3ポイント増加し、2022年の新年からほぼ横ばいとなっていました。
 
一方重量ベースにおいて、需要は投資家の売りにほぼ一致しており、顧客の総金地金保有量はグッドデリバリー金(13kg)1本分だけ増加し、47.5トンを少し下回るにとどまりました。これもまた、年初から変化していません。
 
結論から言うと 安全資産としての金の魅力が確認される必要があるとすれば、今年の市場全体の混乱の中での金の回復力は際立っていると言えるでしょう。
 
現物金地金は、原油価格がゼロ以下になった新型コロナ危機時の当初のデフレの波の中でも最も良いパフォーマンスを示した資産です。インフレ率が40年ぶりの高水準に急騰する中、現在では原油を除くすべての主要資産クラスを上回るパフォーマンスを見せています。
 
今後、予想されている中央銀行の政策金利引き上げは、貯蓄者には遅すぎますが、金は金利を生み出さないために逆風となることでしょう。
 
しかし、不況が長期的なスタグフレーションになるリスクから、ポートフォリオマネージャーや他の既存投資家は保険として金を保有し続けることでしょう。そして、2022年に世界の株式市場の低迷が続けば、これまでの金の堅固さが新たな資金流入を呼び込む可能性もあると考えます。
 
 

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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