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【金投資家インデックス】金投資家数がパンデミック前から31%増

しかし、金投資需要はパンデミック前の水準へ下げていました。
 
もし、パンデミックが人々が期待するように収束しているとしたら、コロナ危機は金現物投資をパンデミック以前より大きく増加させています。
 
確かに、欧米投資家の金投資需要は先月7月に、コロナ危機以来最も低い水準へと下げていました。
 
また、世界最大のオンライン現物地金市場を提供しているブリオンボールトにおける新規顧客数も先月コロナ危機以前の水準へと下げていました。
 
しかし、夏枯れ相場においては新たな投資は減少するものであり、2021年夏も貴金属市場においてはその状態となっています。
 
そして、パンデミック以前の数値と比べると、ブリオンボールトにおいてニューヨーク、ロンドン、チューリッヒ、トロント、シンガポールで現物金地金を保管している顧客の金の所有量は、重量で20%増、評価額で40%増、個人投資家数は31%増となっていました。
 
金投資家インデックスと月間金価格の推移 出典元 ブリオンボールト
 
 金投資家インデックスは、ブリオンボールトの89%が英国、ユーロ圏、米国に在住している95,000人の顧客が実際に取引をしたデータを元に算出されています。
 
そして、7月の金投資家インデックスは、6月の57.6から54.2へと急落していました。
 
これは、過去12ヶ月間の平均値から5.6ポイント低く、新型コロナウイルスが世界的に感染を広める直前の2020年1月の53.5以来の低水準となります。
 
金投資家インデックスはコロナ危機が深刻化するにつれ急上昇し、2020年3月には65.9と8年以上ぶりの高値を記録していました。ちなみに、50.0という数値は、その月に金を購入した顧客数と売却した顧客数が完璧に一致したことを意味します。
 
先月の数値の大幅な低下は、金の保有を開始または追加した顧客数が6月に比べて35.0%減少したのに対し、売却者数は1.0%減少にとどまっていたことからでした。
 
貴金属への新たな関心も7月に大きく低下し、ブリオンボールトにおいて保管されている金、銀、プラチナを購入した新規顧客数は、前月比34.3%減となり、2019年6月以来の低水準となっていました。
 
  銀投資家インデックスと月間平均銀価格の推移 出典元 ブリオンボールト
 
銀投資家インデックスも7月に下落し、6月の3カ月ぶりの高値である56.2から、先月は54.4へと下げていました。
 
これは、2020年1月以来の最低値を付けた5月の53.1以来の低さとなりました。
 
7月この低い数値は、銀の月間平均価格が4.5%下落してトロイオンスあたり25.75ドルと、2ヶ月ぶりの低さとなった際のことでした。そして、銀のユーロと英国ポンド建て価格も下落し、それぞれ2.7%安の21.78ユーロ、3.0%安の18.66ポンドとなっていました。
 
そのような中で、ブリオンボールトの顧客は、金同様に銀地金の保有量を3.8トン増やし、銀の総保管量は12ヶ月連続で過去最高値を更新して1,222トンとなっていました。
 
なお、7月の金価格は、ドル建てでは2ヶ月連続で下落し、1.5%安のトロイオンスあたり1807ドルと4月以来の安値を記録していました。
 
しかし、ユーロと英ポンド建ての金価格はほぼ横ばいで、それぞれ0.4%高の1528ユーロ、0.1%高の1308ポンドとなっていました。
 
そして、世界の株式相場が高止まりし、インフレによって貯蓄や債券投資の価値が失われていく中で、金はコロナ危機のピーク時ほどではないにしても、堅調な需要を継続的に維持しています。
 
7月のブリオンボールトにおける金投資の需要は、重量ベースで再び増加し、顧客による売却分を差し引いても約4分の1トン(227kg)増となりました。
 
これにより、ブリオンボールトの顧客が所有する金地金の総量は47.6トンとなり、17ヶ月連続で過去最高記録を更新しました。
 
この金総保管量は、2020年1月末時点と比較すると、重量で22.1%増、ドル建てで40.7%増となり、顧客数は同時期に比べて31.0%増となり、これはパンデミックが残したものと言えるでしょう。
 
現在、金地金市場と金相場に問いかけられているの、このパンデミックで急増した金地金需要が、パンデミック後に、コロナウィルスと共存しつつ、サプライチェーンの制約とかつて無い大規模な金融刺激策の中で、経済が回復しようとする際にどのように展開するかということです。
 

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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