2011年金需給データを読む(3)
初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」で、先週に引き続き、先日発表されたワールドゴールドカウンシルの2011年金需給最新レポートの金需要データを、中央銀行の動向に絞って解説しています。
************************

今回は2011年金需給データの番外編として、各国中央銀行が保有する金準備の変化についてお話します。番外編とはいえ、中央銀行の金準備に対する姿勢の変化を押さえておくことは、金市場の太いトレンドを押さえておくことに通じますから、ある意味、もっとも重要なテーマと言っても良いでしょう。
具体的なデータを紹介する前に、知っておいていただきたいことがあります。
驚かれるかも知れませんが、中央銀行の金準備の変化は、いわゆる需給表にすべて現れるものではありません。需給表に現れるデータは、市場における取引に限られており、市場外の取引についてはカウントされていないからです。前々回の「2011年金需給データを読む(1)」で紹介した需給表に若干の補足が必要ということですね。
もうひとつ、中央銀行が金準備を増強するという行為は、大なり小なりドルやユーロの比率を下げることに繋がります。結果的に、というより、意識的に、とみて間違いありません。リーマンショック後に市中供給量がおよそ3倍まで膨張している米ドルの将来に対する不安、深刻な債務問題を抱えている欧州ユーロに対する不安が、新興国をして金準備増強に向かわせているわけです。
具体的なデータを見ていただきましょう。
購入量の多い順に並べると、一位はやはり中国です。そしてロシア、インド、サウジアラビア、メキシコ、タイ、トルコ、ベラルーシ、ベネズエラと続いています。調達方法については、それぞれ中央銀行によって異なります。中国の454トンは、2009年にカウントされていますが、じつは2003年~2009年の間に国内で調達したもの。ロシアは、まるで純金積立でもやっているかのように、毎月コツコツと国内で調達した結果のデータです。インドは2009年にIMFの放出金のうち200トン分を購入。
次に外貨準備に占める金の割合を見てみましょうか。とくに目立つのが中国の1.6%で、いかにも低すぎます。今後、数千トンは購入するものと予想されていますが、中国の金準備増強は市場へのインパクトが大きすぎるため、おそらく深く静かに進行しているものと思われます。サウジアラビア、メキシコあたりも同様でしょう。
金の割合が極端に高いのがベネズエラの72.4%です。この国のチャベス大統領は、反米で鳴らしています。
このように見てみると、金は右肩上がりの国々へ、さらに反欧米の国々へと移動しているのが分かります。米国主導の世界から、多極化する世界へという、まさに始まったばかりの大転換を象徴する動きです。
********************
資産保護のために金の購入をお考えですか。金の調査団体であり、金現物市場を開拓しているワールドゴールドカウンシル(WGC)が資本参加をしている、オンライン金取引において世界一の実績を持つブリオンボールトでは、日本のお客様にスイスでの金保管サービスを提供しています。





