金現物を法人で保有するメリットは?
初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」で、金現物を法人で保有するメリットについて、税務面も含めて解説されています。

個人で金を購入されている方からの質問がありました。法人で金を購入するのには、どうすればいいのか、その場合のメリット、デメリットを教えてほしい、と。もちろん税務的な問題も含めて、ということです。
金読本は、基本的に、個人の方を対象にしていますから、法人のケースについては扱ってきませんでした。けれど、お便りをキッカケに、少し調べてみました。
まず、購入方法は、個人の場合も法人の場合も同じで、なんら変るところはありません。どちらも、長期的な観点で、余裕資金を充てて金現物を購入するということだろうと思います。したがって、その時点で念頭にある税金はといえば、購入時点でかかる消費税のことだけでしょう。
金現物は、不動産や車両などの実物資産と異なり、保有に関わる資産税の類いは一切かかりません。が、盗難等のリスクを避けるべく貸金庫など利用すれば、保管料という別途の経費は必要となります。
純金積立を利用すれば、保管料はかかりませんが、法人の利用を認めているところと、認めていないところがあるでしょうから、そのあたりは各社の情報を調べておく必要はあります。これはまた別の機会に取り上げようと思います。
次に、将来、売却した場合の税金について見てみましょう。
個人が保有金を売却して利益が出た場合には、原則、譲渡所得として扱われ、給与など他の所得と合算して、総合課税の対象となります。したがって、所得税の確定申告が必要となります。ただし、個人の場合には年間50万円の特別控除があり、また長期(5年超)保有した場合の売却益は、半額が課税対象から除外されるというメリットがあります。→具体的な計算方法については、こちらをご覧ください。
一方、法人の場合には、保有金の売却による損益は、事業損益に合算されることになります。年間50万円の特別控除などは適用されません。
ただ、法人が長期資産として金現物を購入されるというのは、おそらく将来の万一に備えた資産としてでしょうし、保有金を売却されるのは、困った事態の時でしょうから、仮に多額の売却益が出たとしても、本業の損失を埋め合わせてくれることになるかも知れません。
もう一点、法人による株式保有のケースでは、上場企業の場合、短期売買では時価評価の対象となりますが、商取引上、保有が必要となるケースもあることなどから、必ずしも時価評価の対象となる訳ではありません。ところが、金の場合、相手先との取引関係上の必要性とは、基本的に無縁であると考えられることから、毎年決算時に保有金の時価評価を行なうことが求められ、損益計算の対象になるものと考えられます。ただ、時価評価が求められるのは上場企業に限られます。
非上場企業の場合には、株式も金も長期保有を前提にすると、現状では時価評価の対象とはならないと考えて良いようです。
税金については、個別のケースで異なる場合がありますから、ここから先の各論につきましては、最寄りの税務署かあるいは専門の税理士にお尋ねになることをお勧めします。
法人の金保有については、今回はじめて取り上げましたが、別の角度から、また取り上げてみたいと思います。今回はここまで。
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