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金価格ディリーレポート(2023年6月26日)ロシアの「反乱」が地政学的懸念に拍車をかけ、金価格が3カ月ぶりの安値から上昇

金価格は、ドルが下げ、原油が上昇し、ロシアのルーブルが、ロシアが2022年初めにウクライナへの侵攻を開始して以来の安値まで下落する中で、3ヶ月ぶりの安値から上昇していました。
 
米ドル建て金価格は、先週1.9%下落し3月中旬以来の安値となった後、ロンドン時間昼過ぎに0.6%上昇しトロイオンスあたり1932ドルとなっっていました。
 
「この新しい地政学的な見出しは、金に若干の浮揚感を与えるのに役立っている。」とStonXのRhona O'Connell氏は最新のレポートで述べていました。
 
ドルインデックスは、米国の通貨価値を主要通貨に対して示す指標ですが、先週4週間ぶりに週間上昇を記録した後、月曜日ロンドン時間昼過ぎまでに0.2%下落していました。
 
一方、ロシアのルーブルは、月曜日に対ドルで約15ヶ月ぶりの安値を記録し、約3%下落した後にその後下げ幅を削っていました。
 
ロシアはクリミアの併合にウクライナの他の地域も加えることを狙い、2022年2月にウクライナで新たな攻勢を開始し大規模な経済制裁を受ける中で、史上最安値をつけていました。
 
ルーブルの対ドル為替レートのチャート 出典元 Investing.com
 
ロシアのワグネル私設軍の傭兵たちは土曜日に短期間の「反乱」を起こし、南部の都市ロストフを占領し、ウクライナ戦争を担当するロシア軍司令官の解任を要求してモスクワに進攻していました。
 
その後、ワグネルの指導者エフゲニー・プリゴジンのベラルーシへの帰還と、蜂起に参加したワグネル戦士の赦免、参加しなかった戦士の正規軍への吸収を保証する取引に合意し、撤退していました。
 
「もし平日に起きていたら、金は乱高下していただろう。」と日本貴金属マーケット協会の代表理事の池水雄一氏は最新のレポートで述べていました。
 
「このため、金は再び下値を売りにくくなっただろう。」と続けていました。
 
アントニー・ブリンケン米国務長官は土曜日に、「今回の蜂起は、プーチン政権に 真の亀裂が入ったことを示した。」と述べていました。
 
みずほ証券のエコノミスト、ヴィシュヌ・ヴァラサン氏は、「今回の反乱は、今や見ることのできない亀裂や脆弱性を明らかにした。」とし、「世界的な 地政学的リスクを増幅していることは否定できない。」と述べていました。
 
欧州株は月曜日に下落し、欧州全域をカバーするストックス600種指数は0.2%下落し、前週の3月以来の最大の週間の下げ幅に加えていました。 
 
ロンドンのFTSE100種株価指数は0.4%下落し、ドイツのダックス指数は、市場が注目するIFO企業景況感指数が欧州最大の経済国ドイツの経済が2ヶ月連続で下げていたことで、0.1%下落していました。
 
ロシアが依然として世界の主要な供給国である原油は、アジア市場序盤で1.3%上昇した後他上げ幅を削り、ブレント原油先物で0.8%高、米国産ウエスト・テキサス・インターミディエイト原油で0.6%高となっていました。
 
主に工業用金属で、年間需要の60%近くを工業用途の銀の価格は、先週7.2%下落し、8ヶ月以上ぶりの最大の下げ幅を記録した後、月曜日ロンドン時間昼過ぎに1.5%上昇し、トロイオンスあたり22.87ドルとなっていました。
 
自動車触媒に代表される工業用途が需要の3分の2を占めるプラチナも0.9%上昇のトロイオンスあたり928ドルとなり、ロシアが採掘量第1位のパラジウムは2%上昇のトロイオンスあたり1314ドルとなっていました。
 
ロシアの首都では、事態の収拾を図るため、本日月曜日は非稼働日とされています。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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