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金価格ディリーレポート(2020年8月24日)コロナ治療法の認可や中央銀行への期待でドルが下げ株価続伸の中で金は上昇

金価格は、ロンドン昼過ぎに上昇していました。
これは、米国食品医薬品局(FDA)がCovid-19の治療法を認可し、ジャクソンホールシンポジウムの前に中央銀行の動きへの期待が高まり、世界の株式が上昇する中で、ドルが下落したことが背景となっていました。
 
金地金現物価格は、火曜日のピークのトロイオンスあたり2015ドルから2営業日で3.7%下落した後、0.6%上昇して1952ドルとなっていました。
 
一方、ドルインデックスは、先週金曜日に1週間ぶりの高値を記録した後、主要通貨のバスケットに対して下落しました。    
 
世界指標の10年物国債の利回りは0.64%へと過去2週間の水準からは低下し、30年物国債の利回りは1.35%で安定していました。 利回りは物価に反比例して動きます。
 
米国債利回りは1月23日にウイルスの発祥地と見られている中国・武漢でロックダウンが実施されて以来、1.106%低下しましたが、金価格はこの間に23.8%上昇しています。
 
RWCパートナーズのポートフォリオ・マネージャーであるCharles Crowson氏は、「 金はマイナスの実質金利に対してポジティブに反応する傾向があり、特にイールドカーブの残存期間が長いものが下げた場合などで、現在実際に米国の30年物実質金利は非常に低くなっています。」と述べています。
 
金価格と実質金利の推移 出典元:St Louis Fed
 
また、Lombard Odier Private Bankのチーフ・インベストメント・オフィサーであるStephane monier氏は、「実際、この緩和的で低利回りの環境は、歴史的に長期的に持続する可能性がある」と述べています。
 
イングランド銀行と国際通貨基金が行ったパンデミックの経済への衝撃についての研究によると、「14世紀からの証拠を用いると、このパンデミックは 数年に限らず、数十年にもわたって実質金利を低下させる傾向があることを示しています」とモニエ氏は続けています。
 
本日月曜日に発表される予定の主要な経済報告は無いことからも、投資家は今週木曜日にジャクソンホール・シンポジウムで行われるパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演へと注意を既に向けています。     
 
パンデミックは週末に2つの節目を迎えていました。それは、世界中で報告された死亡者数は80万人を超え、感染者数は2,300万人を超えたというものです。 そのような中、米国の感染者数は安定化の兆しを示しましたが、ヨーロッパやアジアの一部では、休暇を過ごした人たちが大都市に戻り、教師や生徒たちが数ヶ月ぶりに学年の開始のために準備をしていることからも、感染の拡大懸念が広がっています。
 
米国の医薬品規制当局(FDA)は日曜日に、病院で他のコロナウイルス患者を治療するためにCovid-19から回復した人々からの血漿を患者に投与する治療法の緊急許可を出しています。また、ドナルド・トランプ大統領の政権は、大統領選挙に先立って使用するために英国で開発された実験的なコロナウイルスワクチンを緊急使用許可することを検討しているとフィナンシャル・タイムズがレポートしていました。
 
欧州株は、米政権による対中圧力への警戒感後退を受けて上昇したアジア株の基調を受け継いで、1週間ぶりの高値に上昇していました。
 
トランプ政権は、微信(WeChat)アプリの禁止は既に恐れられていたほど広範なものではないだろうと米国企業を安心させたと言われており、これがテンセント・ホールディングスの株価を1ヶ月ぶりの高さへ急上昇させていました。
 
世界の株式のMSCIワールドインデックスは、コロナウイルスの懸念に端を発した世界市場の暴落から50%以上も上昇したS&P500インデックスが先週史上最高値を記録したように、1月23日の武漢のロックダウン以来、-1%まで回復しています。
 
ユーロ建て金価格は、為替市場でユーロが対米ドルで上昇したことを受け、0.2%高のトロイオンスあたり1648ユーロとなっていました。
 
一方、英国ポンド建て金価格は、EUの交渉責任者であるミシェル・バルニエ氏が先週金曜日、今年末に「合意無き離脱のハードBrexit」の見通しを高め、Brexit合意は「ありそうにない」と発言した後、ポンドが下げていたことからも、トロイオンスあたり1486ポンドと0.3%上昇していました。
 
中国の上海金取引所の金価格は、ロンドンの現物価格に対して歴史的なディスカウントを示し続け、金の世界最大の消費者市場の地金価格が週平均でロンドン価格の-75ドルと先週過去最大を記録した後、月曜日にはトロイオンスあたり77ドルまで上昇していました。
 
「欧米の実質金利が急落したのとは対照的に、中国の実質金利はここ数ヶ月で上昇しており、中国の投資家が金を保有する機会コストを増加させています。」と、ワールドゴールドカウンシルのリサーチマネージャーのRay Jia氏は述べています。
 
Jia氏は、中国経済が回復を見せていることからも、中国の中央銀行が経済支援に慎重になったことが背景にあると説明しています。
 
その他の貴金属ニュースでは、銀がトロいオンスあたり26.98ドルと0.7%上昇し、プラチナはトロイオンスあたり939ドルと2.1%上昇しているものの、金に対するディスカウントは1000ドルを超えたままとなっています。

ホワイトハウス佐藤敦子は、オンライン金地金取引・所有サービスを一般投資家へ提供する、世界でも有数の英国企業ブリオンボールトの日本市場の責任者として、セールス、マーケティング及び顧客サポート全般を行うと共に、市場分析ページの記事執筆および編集を担当。 現職以前には、英国大手金融ソフトウェア会社の日本支社で、マーケティングマネージャーとして、金融派生商品取引のためのフロント及びバックオフィスソフトウェアのセールス及びマーケティングを統括。

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