金価格ディリーレポート(2020年11月16日)モデルナワクチンニュースで再び下げたものの前日終値へ戻す 2020年11月16日 月曜日 19:08 金価格はロンドン正午に先週月曜日土曜にワクチンのニュースで下げることとなりました。 金現物はロンドン時間午前中に一週間ぶりの高さへ上昇していたものの、バイオ製薬会社モデルナの臨床試験の結果が良好であったことから、金利が上昇して1週間ぶりの高値から下落していました。 米国のバイオテクノロジー企業であるモデナ(Nasdaq: MRNA)は、本日、Covid19ワクチンの臨床試験で94.5%の有効性が示されたと発表しました。これは、先週月曜日にべ医薬品大手ファイザー(NYSE: PFE)が発表した90%の有効性を上回るものであり、このワクチンの輸送及び保存のために必要な超低温保管をするための医療用冷凍庫の購入競争を必要としません。 現物金価格は、トロイオンスあたり1900ドルを試した後に、1865ドルまで下落し、その後反発して先週の終値の水準の1889ドルに達していました。 このニュースを受けて 10年物米国債利回りは0.92%に2ベーシスポイント上昇しましたが、先週のファイザーのニュースで達した0.97%の8ヶ月ぶりの高値を下回って推移していました。 「90%を超えるワクチンは、もう一つの(景気)刺激策であり、重要と見なければならない」と、米投資銀行J.P.モルガン銀行の資産運用部門のチーフ・インベストメント・オフィサーのBob Michele氏は述べています。 「これは最終的に10年物国債利回りを 約1.25%まで急上昇させる可能性があります。」と続けています。 金価格は、2月に10年物国債利回りが同水準の際にトロイオンスあたり1625ドルで取引されていました。 金は先週の ファイザーとバイオンテック社のワクチン治験結果の発表日には本日の0.8%下落よりもさらに激しく急落して5.8%の下落をしていました。 一方、ドルインデックス(主要通貨に対する米国通貨の価値を示す指標)は本日上昇し、1週ぶりの安値から回復していました。 英国ポンド建て金価格も0.8%下落してトロイオンスあたり1421ポンドとなり、ユーロ建て金価格は0.9%下落してトロイオンスあたり1583ユーロとなっていました。しかし共にドル建て金価格同様に、前週月曜日の下げ幅は遥かに大きく、本日はこの下げ幅を回復して前週終値の水準まで戻していました。 「興味深いことに、ETFの売却が進行中であり、最近金への追い風が失われていると見られます。そこで、私達はこの現状に変化が起き近い将来に1900ドルへ戻すか、そうでなければ1850ドルのサポートラインを再度試すリスクもあると見ています。」と、スイスの精製と金融グループMKS Pampの最新の取引ノートは伝えています。 金を裏付けとしたETFは先週、世界最大の2大商品であるSPDRゴールド・トラスト(NYSEArca: GLD)とiShareiゴールド(NYSEArca: IAU)の両方共に縮小と、3月以来初めての減少が見られていました。 GLDは、3月のコロナ禍の暴落以来5日間で最大の減少となり、2.1%の損失を出し、1,234トンの金の残高となっていました。そして、8月に金価格が史上最高値を更新して以来、15週のうち10週で下落しており、3ヶ月半ぶりの最小値まで減少をしていますが、今年通年ではまだ33%の増加となっています。 銀ETFの最大のiShareシルバー(NYSEArca: SLV)の残高は、先週金曜日に変化はありませんでしたが、週間では0.4%下げ、GLD同様に8月に7年ぶりの高値をつけて以来、15週間で10週下げていますが、今年通年では47%残高は増加しています。 年間の需要の60%が工業用である銀の価格は、本日午前中に一週間ぶりにトロイオンスあたり25ドルを超えた後に、ワクチンのニュースで1%下げたものの、金価格と同様に先週の終値の水準の24.60ドルへと戻していました。 欧州株は、中国と日本の新しい経済データが予想以上に強かったことを受けて、モデルナのワクチン治験結果のニュースの前にすでに上昇しており、9ヶ月ぶりの高値近くまで上昇していました。 また、アジアと太平洋経済圏の15カ国は、米国を除いてしかし中国も含む、 世界最大の自由貿易圏を形成し、世界経済の30%、世界人口の30%を包含する22億人の消費者に到達する、地域包括的経済連携(RCEP)をハノイの地域サミットで日曜日に署名締結しました。 それに対し、アイルランドのサイモン・コヴェニー外相は、英国が12月31日に西欧27カ国の自由貿易圏を離脱する際に「合意なきBrexit」を回避するためには、英国とEUの貿易協議において 「大規模な突破口」が必要であると述べていました。