米国では個人の金取引が禁止になるのですか?
初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」で、読者の質問に答える形式で、昨年夏に広がった噂の背景を解説しています。

どうやら量的金融緩和期待で上がった分が剥げ落ちる、そんなプロセスに入った観のある金価格ですが。長期資産として金を買っている個人の本音としては、もう一段下げてくれると嬉しいね、というものでしょう。
さて、久しぶりに読者からの質問を取り上げます。米国で個人の金取引が停止されると聞いたのだけれど、もしそうなると日本はどうなるかという質問です。
どうやら昨年半ば頃に、そんなデマが飛んだようです。世界の貴金属マーケットの動向に精通している伝説のゴールド・ディーラー池水氏にも聞いてみましたが、どうも、ドッド・フランク法という金融規制法の内容が大袈裟に、誤って解釈された結果かと思われます。あるいは先物関係者が、それを利用してショートを誘った、意外や意外、そんなあたりが真相かも知れませんよ。
ネットで検索してみると、とんでもない内容まであって、ドッド・フランク法=金取引停止法と書いてる輩までいます。
ドッド・フランク法の正式名称は、「ドッド・フランク・ウォール・ストリート改革および消費者保護法」です。その名前から推察できるように、やりたい放題やってサブプライム問題に至った金融を規制するための法案であり、同時に、あくどい金融業者から消費者を保護する法案です。けっして個人の金取引を規制する法案などではありません。
金取引に関していえば、一部の未登録業者が、一般の個人に対して先物取引やデリバティブ取引の勧誘を行なうのを禁じたという部分はあるようですが、個人の金取引そのものを禁じたものではありません。
そもそも米国で個人の金取引が停止されるということは、とてつもない影響が世界に及ぶはずです。たしかに米国は超大国であるがゆえに独断専行しがちですが、ブラジル、ロシア、中国、インド、あるいは中近東諸国など、新興国の発言力がますます大きくなっている環境下で、米国一国だけで断行できることとは考えにくいことです。
遠い将来に渡って、その可能性がゼロとは言いませんが、すくなくとも現段階では、そのようなことはないと思います。キャッチーなデマに惑わされない方が良いと思います。
ひとつだけ追記させてください。
もし、将来、金取引が禁止されるような事態が起きるとしたら、それは、おそらく信用通貨が危機的な状況に陥ったとき、あるいは大きな戦争に向かうとき、と見て良いでしょう。
けれど、それは個人がコントロールできることではありません。仮に戦争が起きても、それはいつか終焉しますからね。どっしり構えて、じっくり金とお付き合いください。
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