値上がり期待なら勧めません
初心者にも分りやすい金のブログとして、経済アナリスト、そして金市場の第一人者の豊島逸夫氏にも推薦されている「はじめての金読本」で、先週円建て小売金価格が5000円を越えた背景を解説し、日本人が金を保有する意味を考えた上で、金投資へのスタンスについて提言しています。なお、この記事は先週金曜日に同サイトに掲載されたものです。

昨年の夏場から円建て金価格が上昇しています。海外のドル建てが昨年9月にいったんピークを打ち、ここまでゆるやかに下落しているにも関わらず、円建てでは、ほぼ一本調子で上昇を続けています。
この1月11日には、店頭の小売価格(税込)がとうとう5000円の大台に乗りました。これまでもたびたびお話してきたように、これは円安ドル高の結果というほかありません。
おかげで店頭は来店客で賑わっています。
利益確定の売り戻しが多いのは当然でしょうが、ここまで価格上昇が続いていることから、購入意向での来店客も増加しているようです。
それはそれで結構なことではあるのですが、さらなる値上がりを期待しての購入ということなら、双手を上げて賛成というわけには行きません。
たしかに現在の円安モードがこれからも続き、ドル建て金価格が上昇に転じていけば、円建て金価格はダブルで上昇するでしょう。そしてそのように予想するのであれば、購入したい気持ちが動くのも、理解できます。
しかし自分の都合で物事は動くものではありません。
米国の第二期オバマ政権は、雇用創出の観点からも輸出拡大を通商政策の要として位置づけています。「強いドルは国益」という旗印を掲げながらも、当然のことながら緩やかなドル安を望むはずです。不況の真っただ中にある欧州とて同様でしょう。したがって円独歩安がいつまでも続くと考えるのは、すこし楽天的に過ぎるのではないかと思います。短期的には、ドル建て金価格のさらなる下落に円買戻しという動きが重ならないとは限りません。
目先の値上がり期待で購入したりすると、パニックになって慌てるのがオチです。
いまの日本人にとって金を保有する意味は、およそ三つに集約されるだろうと思います。
1. 将来のインフレに対するヘッジ
2. 将来の年金減額に対するヘッジ
3. 将来の超・円安に対するヘッジ
くわしい話しは別の機会に譲りますが、金はこうした将来起こりうる万一のリスクに備えて、長期保有を前提に売買するのが基本です。
もしも金を購入したいということであるなら、自分の身の丈にあった金額で、欲を張らず、金現物をコツコツ買っていくことです。さしあたり、純金積立、金貨あたり。資金に余裕がある人は金地金でしょうか。株式投資に慣れた人なら金ETFもありでしょう。
くれぐれも短期の値上がりなど期待しないように。
(追記)
さて、いよいよ確定申告の季節となりました。昨年一年間で保有金を売却して利益が出た人は、過去に掲載した以下のページをご覧ください。
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