金市場ニュース

上海ゴールドセミナーレポート

貴金属ディーリングにおいて世界でも第一人者のスタンダードバンク東京支店長池水雄一氏が、「池水雄一のゴールドディーリングのすべて2」で、先週行われた上海ゴールドセミナーで体感した中国の金投資熱と中国の人々による現在の中国経済の認識を、現地での写真と共にレポートしています。食通としても広く知られている池水氏撮影の中国料理の数々もお楽しみください。

******************

先週末、上海でのゴールドの投資家セミナーに呼ばれて行ってきました。今週はその模様をレポートしましょう。上海に行くのは1年以上ぶり。昔、商社だったころは非常に頻繁に中国を訪れていましたが、今の会社になってからは中国は香港支店の担当というこで、めったに訪問する機会がなくなってしまいました。寂 しい。

今回のこの会議、中国語では「2012貴金属投資国際研討会」、英語では「International Precious Metals Investment Conference」と大仰なものになっています。これは上海の新湖期貨公司と日本のドットコモディティの二社の主催で、上海期貨交易所 (Shanghai Futures Exchange:SHFE)と東工取がスポンサーになって開いた中国の投資家向けのセミナーです。日本からは私と豊島老師が講師として参加しました。

集まった投資家は個人・法人を含めて400人でした。もともと200-300人の想定だったのですが、ふたを開けてみたら申し込みは500人を超え、実際に来たのも400人というので申し込み者の9割は来たということになります。スピーカーは我々二人の他は中国の貴金属専門家たちでした。中国のアナリス トたちの話を聴いていると、まるで自分が週末のセミナーとかで話しているのと全く同じことを言っていました。金融緩和、QE3、などなど。もちろん、僕の 中国語力では彼らの言ってることの1割も正確にはわからないのですが、彼らが使うスライドとところどころでわかる単語でだいたいのことは推測ができます。 やはり世界のどこであれ、中国であれ、みんなだいたい同じことを感じて同じことを考えているのだなあ、と失礼かもしれませんが、感心しました。

ところで、中国ではQE3のことを「キューイーさん」と発音します。QEはそのまま英語読み、そして数字の3は中国語読み。そう、3は「さん」で日本語 と同じ発音なのです。しかしそれを聴くたびに僕はどうも「世界のナベアツ」を思い出してしまって、笑いをこらえるのがたいへんでした。なんせ「さん」の発音もちょっと高く平坦で(一声です)ナベアツにそっくりなのです(笑)。

さてこのセミナー、貴金属に興味がある投資家が対象で、投資顧問会社のトレーダーから個人投資家までいろんな人がいたようです。日本と中国の違いはいろいろありますが、まず彼らはほとんど物怖じをしません。セミナーの後も遠慮無くどんどん講師の元に来ては名刺交換をしていきます。日本語ができる人もけっこういました。そして日本と大きく違うなと思ったのは投資顧問会社に若い女性が多いということ。女性の社会での待遇がビジネスの分野では中国の方がはるかに進んでいるという印象です。でおそらく日本よりも業界の裾野が広いであろうと思います。

僕は仕事柄これまで現物関係の人々とは過去いろいろとつながりがありましたが、今回は主に先物関係の人々、そして投資信託など投資分野の人々が主だったので、これまでとはまた違った人々に会うことができました。そしてその裾野の広いことに改めて驚きました。やはり中国、だてに大きいだけではありません。 日本とは対照的に今この分野が大きく伸びつつあることを肌で感じることができました。昨年の中国の金生産量は370トン近くで世界一位。そして金輸入量も まず確実に今年はインドを逆転して世界一になります。そんな国の金業界は急速に拡大しているようです。

個々のスピーチの時間の次にはパネルディスカッションの時間が1時間あったのですが、パネルの司会者がまず30分の演説をぶちかまし、二番目に振られた人が20分近くしゃべるというほとんどパネルとは呼べないことになりました。(我々苦笑い)これもまた日本人と中国人の違いでしょうか、よく言えば自分の意見をはっきりいいます。悪く言えば自己主張が強すぎるくらい強い。各自が言いたいことを一方的にしゃべると1時間のものが2時間かかりました。ふー。

最後の質疑応答では日本人である我々に対する質問が一番たくさんありました。もちろん領土問題など一切ありません。日本の経済の話、中国の経済の話、いろいろとありました。こういう質問やそして食事のときの話で感じたのは、中国の人々は我々が思うよりはるかに深刻に現在の中国経済の減速を憂いていることです。中には現在の状況はリーマン危機当時よりもはるかに深刻だという人もいました。当時、中国は大胆な資金供給で不安の種を取り除きましたが、もはやそ ういうことはできないであろうと。鉄鋼などの産業基盤にあたる部分がどうしもうもなくなっているとのこと。

我々が外からみていて10%の成長率が7%になってもまだ7%も成長しているのでしょ?という楽観的な見方は中国国内の企業人の実感からはまったく受け 入れられないもののようです。やはりあれだけの広大な国土と13億もの人々がある程度の水準を維持して暮らしていくためには並大抵な成長率では、もはや経済は成り立っていかないのでしょう。これは現地の経済人の肌感覚として意識しているほうがいいかもしれませんね。

さて、上海といえばやっぱり上海料理です。今回はしかし、なんと金曜日夜、土曜日昼夜と三回連続同じお店でした(笑)。「小南国」という有名なチェーン 店でした。当然のことながら三食ともメニューはバッティング。美味しかったからよいのですが、もうちょっとほかのものも食べてみたかったですね(笑)。以 下、今回食べた上海料理の数々です。川えび、上海蟹の味噌と身を使った野菜や豆腐、そして魚です。

以上

**************

資産保護のために貴金属の購入をお考えですか。ワールドゴールドカウンシルが、一般投資家への金・銀地金提供企業として推薦している、オンラインで世界有数のブリオンボールトでは、日本のお客様にも、低費用で金地金現物保管サービスを提供しています。

池水雄一氏は、貴金属ディーリングの世界でも第一人者。上智大学を卒業後、住友商事、クレディ・スイス、三井物産、スタンダードバンクと貴金属ディーリングに一貫して従事し、現在はスタンダードバンク東京支店長。Oval Next Corp.サイトで市場分析ブルース(池水氏のディーラー名)レポートも掲載。

注意事項: ここで発信される全ての記事は、読者の投資判断に役立てるための情報です。しかし、実際の投資にあたっては、読者自身にてリスクを判断ください。ここで取り扱われる情報及びデータは、すでに他の諸事情により、過去のものとなっている場合があり、この情報を利用する際には、必ず他でも確証する必要があることを理解ください。Gold Newsの利用については、利用規約をご覧ください。

SNSで最新情報を入手

Facebook   TwitterYoutube

グーグルで優先する情報源として追加

 

 

貴金属市場のファンダメンタルズ