金市場ニュース

金価格の動きから見えるものとは

金の過去6ヶ月の収益率はゼロとなっています。しかし、これからは、ある目的で金がとても有効な投資商品であることを示すこととなります。

過去6ヶ月間に、金価格は実質動くことがありませんでした。確かに、価格の変動はありましたが、今週の価格は、2011年9月23日金曜日のものと同水準となっています。ブリオンボールトのリサーチ研究員ベン・トレィノアは、この価格の動きをここで分析しています。

この9月の週においては、月初に史上最高値を記録後、ドル建て金価格が、トロイオンスあたり1826ドルから1631ドルまで急落することとなりました。本日金曜日の朝の段階でロンドンにおいては、昨日過去10週間で最も低い価格である1628ドルを記録した後、ここから20ドルほど高い価格で推移しています。

過去6ヶ月の動きのない市場に、昨年夏に金を購入した投資家は苛立つことはあるかもしれません。しかし、強気市場においては、これは特異なものではないのです。2006年5月の金の平均価格は、ロンドンPM Fix価格を基に計算すると675ドルでした。6ヶ月後の2006年11月の平均価格は、627ドルとなっています。ここでは、選択されたデータが使用されていますが、ここで述べるべき要点を表現しています。それは、金はある一定期間収益を上げない場合があるということです。そして、それが金の上昇傾向が失われる兆しであるかもしれません。しかし、現在はその時ではないと思われます。金価格が同水準で動くこと、そしてその間価格変動率が高いということは、金市場にとっては稀なことではありません。

昨今の金価格の推移を見れば、現在緊急に金を購入しなければならない理由は見受けられないでしょう。しかし、経済に何らかの危機の兆しが再び見られた場合、金は恩恵を受けるかもしれません。しかし、必ずしもそうであるとも限りません。それは、金は安全資産であると共にリスク資産という側面も持ち合わせているためです。経済の危機が発生した際に、安全資産という側面から金の需要は伸びますが、米国ドルも同様な側面で需要が高まります。そして、ドル高は金価格の頭を重くする要因となるのです。

下記のチャートにおいては、2007年11月から2008年10月までの、金価格が動きを見せなかった期間のドル建て金価格の月間平均値(黄色の線、指標左)が、ドル指標(青の線、指標右)に対して表示されています。

米国ドルが上昇することによる、金価格への影響を先のチャートで確認ください。また、それを昨年9月の動きとと比較ください。

過去6ヶ月においても、ドル高による金価格の下落という、類似した動きを見ることができます。

金は米国ドルで値が付けられます。そのため、ドルの価値が上がることで、金価格が下がることとなります。しかしながら、これはシンプルなメカニズムではありません。例えば、ユーロが価値を上げた際、金価格は、ユーロを含む全ての通貨において上昇する傾向があります。これは、大部分の金融市場で取引をしている人々にとって、金とは、これによってどれだけ米国ドルを得ることができるかというものであるためです。ここにおける通貨は、ユーロ、ポンド、円ではなく、米国ドルなのです。

そのため、ドルが価値を上げることは、全ての通貨で金投資を行う人々にとっては苛立たしいことかもしれません。しかし、金は米国ドルのヘッジ商品としては、かつてないほどに有効なものであることが改めて理解できることでしょう。

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Ben Traynorは、ブリオンボールトのリサーチ研究員として、金市場分析記事をまとめているGold News(英語)の記事を執筆。現職以前には、英国の投資関連情報を提供しているFleet Street Letterで記者として活躍。ケンブリッジ大学で経済学を専攻。

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