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金投資へのセンチメントが4年半ぶりの低水準へ

先月金価格が1300ドルを超えることで、より多くの数の投資家が金を売却したものの、より多くの量の金が購入されています。

一般投資家による金の投資は、6月に4年半ぶりの低い水準になりました。ここで、ブリオンボールトのリサーチ主任エィドリアン・アッシュが解説しています。

金の強気論者は、先月のトロイオンスあたり1300ドルへ上昇した金価格が要因と言うことでしょう。確かに、世界有数の金投資サービスをオン・ラインで提供するブリオンボールトでは多くの売却を引き起こし、新たな購入を退けました。そのために、金投資家インデックスは、2010年2月以来の低水準である51.2となっています。

金投資家インデックスは、個人投資家の金現物投資への傾向を表す稀な指標です。

金の上場投資信託(ETF)とは異なり、ブリオンボールトを利用する52,000人のユーザーの大部分は機関投資家ではなく、個人投資家です。また、金貨や小さな地金を扱う小売業とは異なり、ユーザーは、(それぞれが希望の価格で市場に売り注文を出すことができ、市場次第では)保有の地金を即座に売却することができます。

そのために、ブリオンボールトでは、個人投資家の金現物の購入と売却の両方の動きを掴むことができます。そして、オン・ラインにおける最大の金現物市場で、何人が新たに購入し、その保有量を増加させたか、売却したか、もしくは金投資を止めて口座を閉鎖したかのデーターも持ち合わせています。

ブリオンボールトの金投資家インデックスは、既存の顧客の保有量の変化から算出され、その数値はネット購入者数とネット売却者数が完璧に一致した際に50となるように調整されています。そして、この数値は過去52ヶ月で、6月ほど50に近い低い水準はありませんでした。

2014年6月に51.2まで下げた金投資家インデックスは、過去3年間で最も低い水準へと金価格が下げた昨年6月は53.0でした。そして、先月の数値へは、5月の52.4から、昨年夏以来の速いペースで下げたのでした。さらに、2009年10月に金投資家インデックスが算出され始めて以来の平均値55.4を大きく下回ったのでした。

金投資家インデックスは2011年9月に71.1とピークとなり、2010年2月には50を下回り、最低値48.8を記録しています。

過去の数値を見ても、先月の金投資家のセンチメントは、金融危機最中に金がメディアの見出しを頻繁に飾っていた頃と比較すると、かなり低いものです。先月のトロイオンスあたり1300ドルを超える価格の上昇は、新たな購入を思いとどまらせ、売却を推し進めるものとなりました。

しかし、購入者と売却者の割合が過去12ヶ月の平均値である1.9から1.4へと下げたものの、顧客全体の金保有量は、重量においては増加しています。これは、少数ではあるものの大規模な金購入が行われたために、購入総量が、増加した売却者による売却総量を上回ったためです。

実際、既に金を売却していた大規模な顧客が、再び金購入を始めたことが見られています。

これは賢い選択でしょうか。2014年夏に、金投資はメディアの見出しを飾っていません。大部分のアナリストや金融関連メディアの金投資に関する意見が、これほど悪いことは過去10年ほどで見たことはありません。

へそ曲がりな投資家は、このような状況を一つの投資すべき合図だと見るかもしれません。また、長期の投資を行っている投資家は、もし、その貯蓄を守るためであれば、2011年のピーク時の価格と比較しても手頃である価格で購入することを考えるのかもしれません。

エィドリアン・アッシュは、ブリオンボールトのリサーチ主任として、市場分析ページ「Gold News」を編集しています。また、Forbeなどの主要金融分析サイトへ定期的に寄稿すると共に、BBCに市場専門家として定期的に出演しています。その市場分析は、英国のファイナンシャル・タイムズ、エコノミスト、米国のCNBC、Bloomberg、ドイツのDer Stern、FT Deutshland、イタリアのIl Sole 24 Ore、日本では日経新聞などの主要メディアでも頻繁に引用されています。

弊社現職に至る前には、一般投資家へ金融投資アドバイスを提供するロンドンでも有数な出版会社「Fleet Street Publication」の編集者を務め、2003年から2008年までは、英国の主要経済雑誌「The Daily Reckoning]のシティ・コレスポンダントを務めていました。

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